納得のいくユーザビリティを提供するために

UX DAYS TOKYOスタッフの立松幸樹です。

普段はITベンチャーでエンジニアとして働いており、フロント・サーバー・インフラ・デザインと、気になったものにどんどん関わる幅を増やし、勉強しながら働いています。今回は、私がUXという単語を知るきっかけから、なぜこの世界に入ろうと思ったのかのお話をさせていただきます。

ユーザビリティへの苦悩

私がUXを初めて意識するようになったのは、前職の中小企業向け業務システム開発で、管理者画面のデザイン刷新プロジェクトのリーダーを勤めたときでした。

プロジェクト対象の管理者画面は、設定項目が多くわかりづらいものでした。そのため設定操作の代行を前職社員が行っており、社内リソース不足という問題を抱えていました。

そのため、管理者画面をわかりやすくし、お客様自身が管理者の設定を変更できることをプロジェクトの目標としていました。

そこで求められたのは「使い勝手」や「設定の分かりやすさ」でした。

しかし、当時の社内にはUXに詳しい人はおろかデザイナーもおらず、プロジェクトも超短納期でした。

そのうえ何年にもわたり機能拡張で積み上げられた既存の管理者画面は100ページ以上に登り、ライセンス状況や選択項目により項目が複雑に変化する作りとなっていました。

決済者の中では「古くなっている”いけてないデザイン”を新しくしたい」という思いが強く、今回のプロジェクトでは納期的に継続改善を見越して、「デザインの統一」と「ページ割りとメニューの再構成」だけは何としてもしたいという判断になりました。

プロジェクトを進めていく中、私の中で本当に中小企業のユーザーがその動作を望むか?と疑問を持つ部分が多く出てきました。

プロジェクト終盤になるにつれプロダクト上層部の意見が分かれ、トップダウンで様々な仕様変更が入りました。

結果として「デザインの統一」と「ページ割りとメニューの再構成」の部分に関しては開発を終わらせましたが、私自身満足なものとはなりませんでした。

このプロジェクトに関わっていなかった設定操作の代行を担当している現場の方々からは「項目が移動してわかりにくくなった」「あの項目はどこにあるんだ」「わかりにくいから古いUIをそのまま使いたい」といった厳しいご意見を連日いただきました。

当初の目的だった「中小企業の人が自身で設定を変更できる画面」とはかけ離れた結果で、デザインを変えて満足している一部の開発のエゴのように感じました。

UXとの出会い

一大プロジェクトで辛酸を舐め、プロジェクトが終わった時。本当にお客様にとって価値があるものは何か。自分がプロジェクト中に抱いた「本当にこれでいいのか」というモヤモヤに対してどうするべきだったのか。きちんと棚卸しして勉強をする必要があると強く感じました。

当時の私は恥ずかしながらUIとUXはほぼ同じようなものだと思っており、「UIがよくなればUXはよくなるはず!」と考え、デザインやUI設計について勉強していました。

そこで得られたのは、項目の配置のパターンやモーダルを使うと良いシーンの紹介など、小手先のテクニックばかりで、プロジェク中に調べてたものに毛が生えた程度の知識でした。

そんな中、何気なく参加したワークショップ「コンテキストの理解と実践」で「UI=UXではない」「UXは条件だけでなくコンテキストで変化する」ということを知り、そこで出てきた様々な鋭い意見を聞き、「本当にいいUXとはなんなのか」について考えさせられました。

「なるほど!」と自分の中で理解がすとんと落ちてきて、私の求めてたものはUIではなくUXだったんだなと気づきました。

ユーザーの条件であったり、項目の条件だったり、小手先の文言ばかり気にしていたものが、「そのユーザーが実際にどのような場面で何を実現したいのか」というもう一段階上の景色を見るイメージでした。

UX DAYS TOKYO との出会い

UXを知るきっかけとなった「コンテキストの理解と実践」ワークショップの主催者がUX DAYS TOKYOでした。

ワークショップ後にスタッフの方と話させていただき、UX DAYS TOKYOのスタッフ活動を知りました。

UXの情報はあっちこっちに転がっているけど、体系的に学べる機会は得にくいと思い参画を決めました。

これからに向けて

エンジニアとして、私自身がトータルデザインに携わったサービスを開発したいと考えています。そこでは様々な知識が必要とされますが、その中の確かな柱としてUXがあると考えています。

UXという言葉だけににこだわっているわけではありませんが、UXが「ユーザーに幸せを提供する」ために、私の知る最善の策である限り、その一点を考えていきます。

また、UXという単語が一人歩きしている中で、本当の意味でユーザーのことを考えたサービスが一つでも多くリリースされるようにしていきたいです。

この記事を書いた人:立松 幸樹

東京在住のweb系システムエンジニアです。
ビジネス・デザイン・コーディング全てに興味があり
本当に人に求められる必要なユーザビリティを提供したいと思い
UX DAYS TOKYOのスタッフとして活動しています。