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API戦略API Strategy

APIをどう提供・活用して事業目標を達成するかを定める計画

APIとは、異なるソフトウェアが機能やデータをやり取りするための仕組みである。API戦略は、APIを誰に、何のために、どのような条件で提供・利用するかを決め、事業目標の達成につなげる計画を指す。

たとえば、決済サービスのStripeは、ネットショップなどに決済機能を組み込めるAPIを提供している。開発者が導入しやすいだけでなく、導入後も長く使い続けられることを重視している。これは、APIを単なる接続手段ではなく、事業を支えるサービスとして扱う例である。

APIで実現したいことと提供条件を決める

StripeのAPIを使えば、ネットショップの開発者は決済の複雑な処理を自分ですべて作らずに、決済機能を組み込める。Stripeは、使う側が理解する必要のある仕組みをできるだけ少なくすることを目指した。

API設計が「ソフトウェアをどう接続するか」を考えるのに対し、API戦略は「なぜ接続するのか」「誰に使ってもらうのか」まで考える。

具体的には、主に次の3点を決める。

  • 目的:顧客の利便性を高める、取引先との連携を強めるなど、APIを通じて何を実現するか。
  • 利用者と条件:社内だけで使うのか、取引先や一般の開発者にも公開するのか。料金や利用資格をどうするのか。
  • 継続利用:使い方を説明する資料を整え、変更による影響を抑え、利用者の声をもとに改善する方法。

APIを作ること自体が目的ではない。APIによってどのような価値を生むかが重要である。対象は外部向けのAPIに限らず、社内システム間の連携も含まれる。

APIで実現したいことと提供条件を決めるのイメージ

語源・提唱者

API戦略という言葉の提唱者は特定できない。ただし、組織全体でAPIを活用する方針の例として、Amazonの「API命令」がある。元Amazon技術者のSteveスティーブ Yeggeイェギーは、この命令が出たのは2002年ごろ(前後1年)だったと回想している。

その方針では、各チームが自分たちのデータや機能をAPI経由で提供し、他チームもAPIを通じて利用することが求められた。データを直接参照するような連携は認めず、外部にも公開できる設計を目指した。イェギー氏によると、数年をかけて社内のサービス同士がAPIで連携する形へ変わっていった。

APIを提供した後の使いやすさも重要

APIは一度公開したら終わりではない。利用者が自分のサービスに組み込んだ後も、安定して使えることが重要である。Stripeは、開発者が組み込んだ決済処理を長く変更せずに使えることを目指している。そのためには、既存の機能を突然使えなくする変更を避け、必要な変更は事前に知らせる配慮が求められる。

APIを提供した後の使いやすさも重要のイメージ

たとえばネットショップが決済APIを選ぶとき、導入の簡単さだけでなく、将来の仕様変更によって決済が止まらないかも重要になる。変更方針が明確で予測できれば、安心して採用しやすくなる。

外部APIを使う側も利用条件の変更に備える

API戦略は、自社がAPIを提供するときだけでなく、他社のAPIを利用するときにも必要である。Twitterは2023年に無料APIを停止し、基本プランを月100ドルとした。この変更により、WordPressからTwitterへの自動投稿や、ニュース閲覧アプリFlipboardの連携などに影響が生じた。

外部APIを使う側も利用条件の変更に備えるのイメージ

この例から、APIの利用料金や条件の変更が、それに依存する別のサービスにも影響することが分かる。なお、これはAPI戦略の効果を直接検証した事例ではなく、利用条件という観点から解釈したものである。

たとえば、外部SNSへの自動投稿機能を作るなら、技術的に接続できるかだけでなく、将来の値上げや規約変更にも対応できるかを考える必要がある。Twitterの無料API終了時には、TechCrunchも、開発者が機能の提供中止や費用の転嫁を迫られる可能性を報じている。

関連用語

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