人間は、いくつかの景色を見比べた時に、「砂漠のように単調な景観」や「樹木が繁るジャングルのように密度の高い環境」よりも、空が高く見えることで空間を広く感じられ、木々が点在している中に水辺と草原などのアクセントがあるサバンナのような環境を好む傾向がある。
3つの絵を見せて一番快適と感じる写真を選ばせると、視界が広く、木々が点在している一番左の写真を選ぶ傾向がある。(Savanna Preferenceより引用)
サバンナを好む傾向は、人間が生来的に有している意識である。古代より、サバンナには人類が生存するために欠かせない要素(水分や食物など)が多く存在しており、その他の環境に住んでいた人類よりも生存確率が高かった。結果として、サバンナを好む遺伝的傾向が今日まで受け継がれている。
「他の環境よりもサバンナを好む」という遺伝的傾向が受け継がれている根拠として、全年代のうち「サバンナを好む傾向」が最も顕著に現れる年代は幼少期である、という実験結果があげられる。
(実験:自然環境における視覚的嗜好)
サバンナの優位性を活用している例
最近は、会社の会議室やフリースペースに採用されることが多い。サバンナのような開放感や一面の緑を模したカーペットを取り入れると、多くの人が利用したいと感じると同時に、安心感を覚えて仕事や会議のストレス緩和につながる。
他には、教育番組のセットにサバンナの要素を取り入れることで、子どもが強く興味を持つようになる。実例では、「テレタビーズ」という60ヵ国以上で放映していた子ども向け教育番組があげられる。