
「継続は力なり」をモットーにしているエンジニアスタッフのかじしまです。
2026年7月17日の読書会では、「カエルは早く食べろ!」を題材にしました。
以前の読書会で取り上げた「大切なことだけやりなさい」の著者、
詳細は後述しますが、「カエル」とは大きくて重要な、つい後回しにしたくなるタスクを指します。この嫌なことを先に片づけると仕事がうまくいく。そんな内容の書籍です。
はじめに|「分かっているのに、できない」を越えて
「どうすれば仕事がうまくいくのか」このテーマのビジネス書は、世の中に数えきれないほどあります。裏を返せば、それだけ多くの人が同じ悩みを抱えているということ。私も、その一人です。
本書を読んで率直に感じたのは、「当たり前だけど、できていない」「分かっているけど、難しい」 という内容が並んでいる、ということでした。
そして本書が教えてくれる最も大切なことは、成功する人とそうでない人の違いは、特別な才能や知識ではなく、「実践を続けているかどうか」だ ということです。
著者のトレーシー氏も、最初からエリート街道を歩んでいたわけではありません。成功者から学び、自ら実践し、うまくいった方法を講演やセミナーで発信し続けてきた。そんな「実践者」の言葉だからこそ、本書には確かな説得力がありました。

httpslearningedgejpbriantracy より引用
成功者の行動習慣を学べば、自分の実践につながる。頭では分かっています。それでも、いつの間にかモチベーションが下がり、行動が鈍くなってしまう。読書会では、本書の内容を自分自身の行動と照らし合わせながら議論しました。
「カエル」とは何か
まず、タイトルにもなっている「カエル」を整理します。
カエル = 大きくて重要なタスク。放置すれば先延ばしになり、やがて取り返しのつかない支障をきたすもの。

本書のメッセージはシンプルです。
「醜いカエルから食べよ。カエルをじっと見つめていても、カエルは小さくならない。」
悩む前に、まず行動すること。カエルを食べる(=タスクを完了する)と、脳内にエンドルフィンが分泌され、達成感と自信が生まれるといいます。この 「完了の快感」を習慣化することこそが、成功への秘訣だと感じました。
21の法則|「知っている」と「できている」は別物
本書には、「実践を継続し、成功する人になるための具体的な方法」が、21の法則として記されています。
- 目標を定める
- 日々の計画を立てる
- 80対20の法則をあらゆることに適用する
- 起こるであろう結果を考える
- 自分主導の先延ばしをする
- ABCDEメソッドを常に活用する
- 鍵となる成果領域(KRA)に集中する
- ビッグ・スリーの法則を適用する
- 始める前に徹底的に準備をする
- 少しずつ確実に進む
- 新しい習慣を身につけて、新しい自分に生まれ変わる
- 鍵となるスキルを磨く
- 何が邪魔をしているか見極める
- 自分を追い込む
- 行動を起こすためにモチベーションを高める
- テクノロジーを活用する
- 集中力を高める
- 仕事を分割して小さくする
- まとまった時間を確保する
- 危機感を持つ
- 全てをシングルタスクで行う
どれも「知っている」内容でありながら、改めて自分の行動と照らし合わせると 「できていない」 と気づかされるものばかり。以下では、私が特に印象に残った法則を紹介します。
出発点は「何を達成したいか」|法則①② 目標を定める/計画を立てる
すべての出発点は、「カエルが何であるかをはっきりさせること」、つまり「何を達成したいか」を明確にすることです。本書は、目標の曖昧さこそが、先延ばしやモチベーション低下の根本原因だと指摘します。

目標を定めたら、前日の夜、または朝一番に1日の計画を立てることが推奨されています。
「計画を立てるのにかけた1分は、実行するときに10倍の無駄を省いてくれる。」
計画は一見無駄な時間に思えます。しかし、「すでに他の人に依頼したことを忘れて自分でやってしまう」といった無駄を防いでくれます。さらに、1日の計画だけでなく、マスターリスト・月間リスト・週間リストと期間ごとに計画を立てることで、長期的な成果につながるとあります。

読書会では、こんな声が上がりました。
- 「改めて考えると、目標や計画を立てられていないと気づいた」
- 「計画を立てても、だんだんいい加減になってくる」
私も深く共感しました。振り返れば、毎日仕事終わりに翌日のTODOリストを作ってはいるものの、それだけで満足してしまっていたのです。1日のリストだけでは長期的な成果につながらない。そう気づき、マスターリスト・月間リスト・週間リストを作成してみることにしました。
「やらない」を戦略にする|法則⑤⑥ 自分主導の先延ばし/ABCDEメソッド
時間は有限で、すべての仕事はできません。だからこそ、「価値の低いタスク」を意図的に先延ばし・委譲・削減すること も重要な戦略です。本書は、意図せず遅れてしまうことが最も良くない と明記しています。

優先順位をつける具体的な手法が、ABCDEメソッドです。タスクを5段階に分類し、常に「A」から着手します。
| ランク | 意味 |
| A | 絶対にやらなければならないこと(やらないと重大な結果を招く「カエル」) |
| B | やるべきこと(やらないと誰かが困るが、Aほど深刻ではない) |
| C | やれば好ましいこと(やらなくても実害はない) |
| D | 人に任せられること(委譲して、自分のAの時間を確保する) |
| E | 完全にやめてしまっていいこと |
難しく価値の高いタスクから逃げ、簡単なタスクを片付けることに快感を覚えてしまう。これはよくある落とし穴です。読書会でも、正直な声があがりました。
- 「好きなものや楽なものからやってしまう」
- 「やらなくてもいい仕事が混ざっていて、優先順位の付け方が難しい」
そんな中で新鮮だったのが、大本さんの 「会社にとって重要なものは何か、という視点でタスクを評価する」 という意見です。個人の好みではなく、組織への貢献度を基準にすれば、ABCDEの分類はより明確になります。判断しにくいときは、上司に直接聞いてしまうのも一つの手だと思いました。
大きなカエルは一口ずつ|法則⑱ 仕事を分割して小さくする
大きなカエルは、一口ずつ食べよ。
最初の一歩を踏み出す人は多い。しかし、その後が続くからこそ偉大な一歩になる、と本書は語ります。

どんなに大きなプロジェクトも、日々計画的に実行すれば必ず完成に近づきます。大きいまま向き合うから動けなくなる。小さく切り分けることで、初めて動き出せるのです。
「大きなカエルを丸ごと食べようとするから行動できない」この言葉にハッとしました。
大本さんからは、「組織・プロダクト開発においても、仕事を分解・評価する仕組みがあると良いのではないか」 という意見も。個人の生産性にとどまらず、チームや組織レベルで応用できる可能性を感じた議論でした。
まとめ|成功する人は「知っている人」ではなく、「続けている人」
本書を読んで改めて感じたのは、成功者とそうでない人の違いは、特別な才能や知識ではないということです。
紹介されている21の法則の多くは、「知っている」「聞いたことがある」と思えるものばかりでした。しかし、実際にそれを毎日行動に移し、継続できている人は決して多くありません。

トレーシー氏自身も、生まれながらの成功者ではありませんでした。成功者から学び、それを実践し、改善しながら続けてきた経験があるからこそ、本書には「継続できる人になるための具体的な方法」が詰まっています。
私自身も、「重要なことを先延ばしにしない」「計画を立てる」「仕事を小さく分割する」といった内容は理解していました。しかし、理解しているだけでは何も変わらないことを、読書会で参加者の皆さんと議論する中で改めて実感しました。
そして、この本を読み終えたあと、一つ大きな気づきがありました。
読書会に3年以上参加している方から、「なぜ読書会を続けられているのだろう。その報酬とは何だろう」 という問いが投げかけられたのです。
その問いをきっかけに考えてみると、読書会そのものが、本書で紹介されている成功の法則を自然と実践する場になっていることに気づきました。
毎月読む本という明確な目標があり、開催日という期限があり、仲間と議論する約束がある。そして、学んだことをアウトプットすることで達成感を得られる。この小さな成功体験が次の参加につながり、継続する習慣になっていたのです。
つまり、読書会を続けられていた理由は、意志の強さではありませんでした。本書が示すような「継続できる仕組み」が自然と備わっていたからなのです。
知識を得るだけでは人は変わりません。しかし、小さな行動を積み重ねる仕組みを持てば、人は少しずつ変わっていけます。

これからも毎朝、一番大きな「カエル」を一口食べることを意識しながら、一歩ずつ行動を積み重ねていきたいと思います。そして、この読書会もまた、その行動を続けるための大切な習慣として、これからも参加し続けます。
「毎朝、席についたら、まずは一番醜いカエルを一口食べることから始めよう。」
もし少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひ一度読書会に顔を出してみてください。
きっと、あなたにとっての「報酬」も見つかるはずです。