シリコンバレーに拠点を置くスタートアップアクセラレーター兼投資ファンドの500 Startupsの創業者Dave・McClureが提唱したフレームワークである。AARRRは単語の頭文字をとった頭字語であるが、欧米のコミックにあるような海賊の掛け声「アー」になぞらえてStartup Metrics for Pirates(海賊指標)ともいう。
AARRRは何を指しているか
AARRRはユーザー行動を踏まえたサービスの成果を5つのステップ「Acquisition(獲得)、Activation(開始)、Retention(継続)、Revenue(収益)、Referral(紹介)」に分けた考え方である。
Acquisition(ユーザーの獲得)
ユーザー獲得。
(例)Airbnb:掲示板を利用して獲得
クラシファイドサイト(インターネット広告の形態の一つで、目的や地域によって分類された募集広告や告知を、一覧形式で掲載する掲示板サイト)の大手Craigslistへ自動投稿する機能を開発し多くの露出を果たした。
Activation(ユーザーの活性化)
ユーザーが製品を購入・サービスアカウント作成・アプリのダウンロードさせることがあたる。
(例)クックパッド:誕生日クーポンの利用
有料会員登録後一定期間はお金がかからずに利用できるようにし、誕生月に無料クーポンを配布した。
Retention(ユーザーによる継続的な利用)
継続して何度も利用したかどうかを計測する。リピートユーザーのほか、メルマガの開封もこれに含まれる。
(例)メルカリ:保存機能とリバンドの利用
保存した検索条件に当てはまる商品があるとメールを配信している。
Revenue(収益)
製品やサービスの収益化。収益の発生に至った割合を計測する。
(例)Amazon:特別会員との差別化
プライム会員無料キャンペーンを設け、プライム会員のメリットを実体験させることで有料会員化につなげた。
Referral(ユーザーによる他社への紹介)
製品やサービスを他の人に紹介・おすすめしてもらう。
(例)Uber:クーポンでクチコミを広める
リリース当時、紹介者と登録者両方に2,000円づつのクーポンを発行するという施策を打った。
AARRRはKPIの設定に役立つ
AARRRはデジタルのサービスにおいて全て測定可能な値であり、チームが取り組むべき指標の判断に役立つ。以下にAARRRのメリットを挙げる。各ステップでKPIを定め部分改善をしていくことで、全体の改善に繋げていく。
- 商品開発やマーケティングの課題が明確になる。
- サービスのフェーズを把握し分析・モニタリングを行うことでチーム内で課題共有をしやすくなる。
- 計画的な製品・サービスの成長戦略を立てることができる。