ベビーフェイス効果とは、幼児性の特徴である「純粋無垢」「正直」等の印象を受け、警戒心がなくなり好感を抱くハロー効果の一種である。
動物行動学者のKonrad Zacharias Lorenzは、幼児性のある人や動物・キャラクターの特徴を「ベビースキーマ」と命名した。
ベビースキーマの7つの特徴
ベビースキーマには以下の7つの特徴がある。
1. 身体に比して大きな頭
2. 前に張り出した額をともなう高い上頭部
3. 顔の中央よりやや下に位置する大きな眼
4. 短くて太い四肢
5. 全体に丸みのある体型
6. やわらかい体表面
7. 丸みを持つ豊頬
イラスト:ナユミ
ビジネスにおけるベビーフェイス効果
ベビーフェイス効果は、警戒心をなくして好印象を与えるため、「安心感」や「評価」が重要となるサービスでは非常に有益である。
活用例1:東京ガスでのベビーフェイスのキャラクター採用
インフラサービスのひとつである「ガスの提供サービス」は、ユーザー体験において安心感や親しみやすさは重要である。東京ガスでは、「パッチョ」というキャラクターをTV CMやWebサイトに多用し、ベビーフェイス効果をうまく活用している。
SNSの効果も高く、公式Facebookでは2018年度で60,000いいね!を記録したと発表している。
活用例2:東急リバブルでは子供を採用
不動産仲介業者の東急リバブルでは、CMやLPのビジュアルに子供を起用。子供が直接的なユーザーではないが、ベビーフェイス効果を活用し、純粋無垢な評価として評価の高さを演出表現している。
幼さ≠かわいさ
従来の研究では、ベビーフェイスの特徴である「ベビースキーマ(幼さ)」は「かわいい」の根底を担うとされていた。しかし近年では、この考え方が見直されてきている。
入戸野宏氏らの研究によれば、「ベビースキーマ(幼さ)」は、“困っていたら助けたい”、“保護したい”という感情である養護動機に相当するのに対し、「かわいい」は、“近づきたい”、“そばに置いておきたい”という感情という接近動機に相当しており、幼さとかわいさの相関は見られないとしている。
入戸野宏の研究結果
ベビーフェイス > ベビースキーマ(幼さ) ≠ 「かわいい」
ベビースキーマ(幼さ) | 養護動機(“困っていたら助けたい”、“保護したい”という感情 |
かわいい | 接近動機(“近づきたい”、“そばに置いておきたい”という感情 |