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シャルパンティエ効果 Charpentier effect

目で認知した錯覚に関する心理的効果・物理的な重さの等しい物でも、視覚的に見える大きさの影響で体積が小さいほうが重く感じられる現象

1891年にAugustin Charpentierオーグスチン・シャルパンティエの著書『Size‒weight illusion(大きさ – 重さの錯覚)』で発表された。
この仮説を検証した精神分析学者コゼレフの名前を入れた「シャルパンティエ – コゼレフの錯覚(Charpentier-Koseleff illusion)」とも呼ばれる。

肖像 オーグスチン・シャルパンティエ

Augustin Charpentierオーグスチン・シャルパンティエ
引用:Augustin Charpentier | Wikipedia

シャルパンティエの実験

シャルパンティエは、同じ重さで大きさが異なる2つのボールを用意し、実験を行った。4cmのボールと10cmのボールそれぞれを持ち上げて、どちらが重いかを被験者に比較させたところ、「4cmのボールが重い」という答えが返ってきた。

人間の脳は「大きなボールは重く、小さいボールは軽い」と予測するが、小さいボールは大きいボールと同じくらいの力で持ち上げる必要があったため、小さいボールが重かったと錯覚したのだ。

同じ重さでも小さい方が重いと感じる

同じ重さでも小さい方が重いと感じる

1kgの鉄球と1kgの綿を比べた時に前者の方が重く見えることもシャルパンティエ効果と呼べる。

視覚からのイメージで重さを判断してしまうという錯覚現象だが、全盲であっても触ることで面積を判断し、同様の印象をもつことがある。

活用

シャルパンティエ効果の「目で認知したイメージが錯覚を産む」ことを応用し、重さ以外でも量の多さや広さを強く印象付ける手法として、マーケティング心理学や消費者心理学の理論とあわせて商品開発や販売促進で活用されている。

すでに持っているイメージを元に錯覚を起こすため、言葉だけでも錯覚の効果が適用される。

効果を強くするためには、文章で表現したものが頭の中で絵が思い浮かぶような表現にすると効果的である。

印象が強く感じる 印象が弱く感じる
たくさんビタミンCが入っていそうなのは? レモン33個分のビタミンC 1000mgのビタミンC
広そうなのは? 東京ドーム33個の広さ 約466731坪の広さ
頑丈そうなのは? 100人乗っても大丈夫な物置 耐重量6500kgの物置

 

参考記事

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