第1法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第2法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
この法則は、1958年に英国の歴史・政治学者シリル・ノースコート・パーキンソンが著書『パーキンソンの法則:進歩の追求』で提唱したもので、著書の中では国に所属する役人の数は、なすべき仕事量と関係なく増え続けるという例を挙げている。
第1法則: 仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第1法則は、仕事量とその完了に要する時間に関係するものである。
例えば、ある木曜日に翌週の水曜日期限のタスクを与えられた時、その仕事の完了は、実際の仕事量に関わらず翌週の水曜日まで膨張するというものだ。
1時間の会議が設定された例を考えると、会議の目的達成に関わらず、1時間ちょうどまで会議が行われることがある。また、夏休みの宿題が8/31に集中してしまう経験をされた方も少なくないのではないか。これらのケースも、パーキンソンの第1法則により実際の仕事量(目標の達成)に関わらず、与えられた時間を全て満たすまで、必要な時間が膨張しているのである。
時間浪費の回避方法
前述の例において、与えられた時間を短くした場合でも、成果のクオリティは大きく変わらないと言われている。つまり、無駄な時間を浪費している可能性があると考えて良い。
この無駄な時間の発生を回避するためには、計測可能な目的を提示して常に意識し、その完了を適宜判断することが重要だ。例えば会議を行う際には、参加者と「会議のゴールは〇〇である」と認識を合わせる。その目的が達成され次第、会議の終了予定時間に関係なく終了する、というアプローチで時間の浪費は回避可能である。
第2法則: 支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
第2法則は、支出と収入に関係するものである。
これは第1法則における完成のために与えられた時間を収入、実際にかかる時間を支出に置き換えたものと考えられる。例えば毎月の収入が20万円である場合、その人の月の支出は20万円まで膨張するというものだ。
無駄な支出の回避方法
無駄な支出の回避方法として、毎月の収入が20万円あり、そのうち5万円を貯金したいケースを考えてみる。
何も意識しなければ、最終的に5万円を貯金に残すことは第2法則(支出額が収入額まで膨張)により困難となる。そのため、5万円の貯金を実現するためにはまず5万円を貯金する。それにより15万円を使える収入として、支出が膨張する範囲が15万円までとなり確実に貯金できるようになる。
投資家のウォーレン・バフェットも「お金を使った後で、残った分を貯金するのではない。貯金したあとで、残った分を使うのだ。」と述べている通り、無駄な支出を回避するには、まず貯金を行うようにする。