擬人化とは、人以外のものに対して人としての性質・特徴を与える比喩の表現方法である。対象を人の姿にすることを擬人化と捉えられがちだが、動物に人の言葉を喋らせることや、「葉っぱが嬉しそうに揺れている」「対立していた二国が和解に向けて歩み寄る」などの修辞法も擬人化である。
擬人化に期待できる効果
対象に関心や、親しみをもたせる
ご当地ゆるキャラ、萌え系美少女化や、イケメン系擬人化を行うことで、擬人化されているテーマへの垣根を低くし、親しみや仲間意識を持たせることができる。
乳幼児期の子供は、動植物や無生物を擬人視してとらえる傾向があるため、絵本やアニメーションでは擬人化して登場することが多い。
例)アンパンマン(公式サイト)、くまもん(公式サイト)、艦隊これくしょん(公式サイト)、刀剣乱舞(公式サイト)
文章に対話形式を用いることで、わかりやすくなる
教科書や参考書において、文章だけでは難解な説明を対話形式にすることでわかりやすく説明できる。
遠まわしに物事を表現できる
一般的に害虫や汚物には嫌悪感を持たれることが多い。殺虫剤などのパッケージでは、嫌悪感の軽減目的で擬人化表現を用いることがある。
文章においても「火炎放射器の炎が、逃げ惑う人々を呑み込んだ」のように擬人化することで露骨な表現を避けつつ、事態の凄惨さを読み手に伝えることができる。
説明に臨場感が出る
文学で多く用いられており、「刺すような日差し」「秋の夜長を虫が奏でる」など、人以外が主体になることでその場の臨場感を深めることができる。
物事に客観性を持たせる
人でないものを擬人化し、人間社会の外側に置くことで客観性を出すことができる。「吾輩は猫である」など人のありさまを観察するといった文学も数多く存在する。
風刺や、たとえ話を身近にする
童話や昔話では、人でないものが主人公となり道徳や社会風刺を表現するものが多く、人だとグロテスクになりがちな表現(暴力行為など)を回避している。