心理的リアクタンス
psychological reactance

人が特定の自由を外部から脅かされた時に生じる、自由を回復しようとする反発作用のこと

人は自分の行動や選択を自分自身で決めたい

人は生まれながらにして「自分の行動を自分で選択したい」という欲求を持っている。
学生の頃、宿題をしようと思っていたところに母親から「早く宿題をやりなさい」と言われたことで宿題のやる気を失った経験がないだろうか。

自分から進んで宿題をやろうとしていたが、自分の行動を他人に決められたことで「選択の自由が奪われた」と感じ、反発する態度を取ってしまう「心理的リアクタンス」の例である。例え、相手の指示と自分の予定していた行動が同一のものでも、また、例え相手の指示に従うほうがメリットが多くても、心理的リアクタンスは生じる。

反発して宿題しようというやる気を失った例

心理的リアクタンスの応用

ゲーミフィケーション

ゲーミフィケーションの要素のひとつに、達成が困難な高い目標を設定がある。達成しにくい状況にさせることで、心理的リアクタンスが発生され、達成に対するモチベーションが向上する。

それは、容易に目標達成できない状況によって、行動の自由が奪われていると感じ、その状況を打破するために以前より目標達成したい意欲が強くなるという心理的リアクタンスが作用している。

カリギュラ効果

カリギュラ効果は、禁じさせることで、逆にやってみたくなるという心理的リアクタンスを用いた効果である。
1980年に制作された「カリギュラ」という映画が、あまりに過激という理由で公開禁止となり、かえって人々の注目を集めたという出来事に由来している。映画を観る自由が奪われ、それに反発して興味が湧くという、心理的リアクタンスが作用した事例である。

選択肢を与えて心理的リアクタンスを回避する

余計な心理的リアクタンスを与えないためには、自由を奪っていると感じさせないことが重要である。選択肢を与え、その中から求めている答えを相手自身に選択させることで心理的リアクタンスを減らすことができる。

不動産屋にお客様が家を探しにきた時、条件に一致した一つの物件だけを勧めるより、複数の選択肢を与えて選ばせる方がスムーズに契約に繋がるという現象は、心理的リアクタンスの軽減によるものである。

冒頭の勉強意欲を奪うケースの回避方法としては、「勉強は順調?」と質問することで自分のペースで勉強を進めていることが認識され、そのペースについて質問しているだけなので自由を阻害したと感じさせない。

自己心理的リアクタンスのコントロール

心理的リアクタンスは、自分自身にも発生することを事前に意識しておくことで、他者から命令や依頼をされた場合でも心理的リアクタンスを回避し、冷静に判断できる。とはいえ、心理的リアクタンスは必ずしも悪いことではない。

行動を選択する際に重要なことは、心理的リアクタンスを意識して、外部から命令や依頼を無条件に受け入れることなく、自分の価値観や意思をしっかり持つことである。そうなれば、相手の意図の本質を把握し、適切な判断をすることができるようになる。

参考文献

この記事を書いた人:ミギョン

現在IT企業で働いており、普段の業務ではエンジニア、UXコンサルタントとして幅広い領域に携わっています。将来は視覚障害者のためのUXに関する仕事ができることを夢見ています。趣味はミュージアム鑑賞、視覚障害者への道案内、カフェの窓際でぼーっとすること、前髪切ることです。