TOP UX用語 心理学・行動経済学・脳科学 白の効果

白の効果 White Effects

白い色を目にすることで起こる、認知と行動に関する効果。

信頼感・降伏・清潔さを象徴し、善や安全性を連想させる色である。
白のまっさらな状態は、始まりや出発、可能性といった意味を印象づける。

これらの印象は、白が昼間を思わせ、原始生活において外敵に襲われる危険性が少ないことから発展した人類が普遍的に持つ印象とされる。

白の持つネガティブな印象としては、緊張感・空虚さ・味気なさがある。
部屋の壁を白にすると部屋を広く見せる効果があるが、純白に近い色だと緊張感を与えてしまう。壁の色をほとんど白に近いが、少し黄味がかった色であるオフホワイトにすることで、緊張感を回避しながら広く見せる効果を活用できる。

流行に左右されない価値がある物と認識される

製品の価値を高めたいとき、白を利用すると、流行に左右されない印象や、高級さ・権威を感じさせることができる。穏やかで平和な様子、従順さを伝えたいときも白の効果が役立つ。

白い物のイメージ

白色は他の色より軽く感じる

色の尺度の1つである「明度(色の明るさ)」は、重さの印象の違いとなる。白は明度が最も高いため、他の色と比べると軽く感じることが研究により明らかになっている。

黒は白に比べると1.87倍重く感じる。(参考: 黒の効果

利用例: 引越しのダンボール

引越しのダンボールに白を用いている業者が多い。これは、白の効果によって作業者の負担を減らすためである。軽く感じる度合いは小さくても1日に数百箱運搬する作業者にとって小さな負担軽減がもたらす効果は大きい。
引越しの段ボールが白いと軽く感じるイメージ

白と黒の視覚的に感じる大きさの違い

白は膨張色という性質を持つ。一方、黒は収縮色である。

囲碁で使われる白と黒の碁石は、同じ大きさに見えるが異なる大きさで作られている。

白石は直径21.9mm、黒石は黒石が直径22.2mmで白石の方が黒石よりも0.3mm小さく作られているが、白の膨張して見える効果により視覚的に同じ大きさに見える。
(数値引用: 碁石 | Wikipedia

碁石の大きさは黒と白で異なる図

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参考文献・記事

スタートアップでデザイナーとして調査、UX設計、UIデザインとフロントエンド実装をやっています。UXも技術も日々勉強中!趣味は片付け、インテリア小物とゲームです。

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