小さなサンプル(少数のデータ)からでも、母集団全体の確率的な性質がそのまま反映されると誤って信じてしまう人間の傾向を指す。
統計学的には誤謬であり、少数データは大きなばらつきを持つため、母集団の性質を正確に反映しないことが多い。
例:
- サイコロを5回振って1が出なかった →「1は出にくい」と思い込む。
- 新サービスを5人に試したら全員好意的 →「市場全体でウケるはずだ」と判断してしまう。
デザイン上での利用方法と具体例
- リスク
少数ユーザーの意見を過大に重視すると誤った意思決定につながる。たとえば、UX調査でたった数人の声から全体のニーズを決めつけるのは危険である。 - 活用
一方で、「少数の体験談は記憶に残りやすい」という特性を利用してストーリーテリングに活かすことができる。広告やコンテンツで「1人のユーザーの強い体験」を提示すると、全体像以上に強い説得力を生む。
提唱者について
シメオン・デニス・ポアソン
19世紀のフランスの数学者・物理学者であるシメオン・デニス・ポアソン(Simeon Denis Poisson)
プロダクトやコンテンツデザインの観点で使えるシーン・考え方
- ユーザーテスト
少数ユーザーの意見に引っ張られないよう、データの代表性を意識して解釈する。 - 広告・PR
あえて「一人の物語」を見せることで共感を得る(例:クラウドファンディングの成功者ストーリー)。 - ダッシュボードデザイン
サンプル数が少ないときに「データが安定していない」ことを視覚的に示す工夫を盛り込む。