GAS(Google Apps Script)とは、Google が提供するクラウド上のスクリプト実行環境であり、JavaScript をベースにして Google の各種サービス(例:Google スプレッドシート、Gmail、Google ドライブ、Google フォームなど)を自動化・連携・拡張できるプラットフォームである。
GAS によって、ユーザーはウェブブラウザ上でスクリプトを書き、Google のインフラ上で動かすことができ、煩雑な手作業をプログラムで効率化できる。
提唱者・歴史的背景

ジョナサン・ロシュル(Jonathan Rochelle)
- GAS は 2009 年 8 月に正式リリースされた(β段階は 2009 年 5 月に発表)。
- 最初はマイク・ハーム(Mike Harm)が Google スプレッドシートの傍らプロジェクトとして始めたとの記録もある。
- プロダクトマネージャー ジョナサン・ロシュル(Jonathan Rochelle)が β 公開を外部に告知したという歴史的経緯もある。
デザイン・UX/プロダクトでの利用方法と具体例
利用方法
- バックグラウンド処理の自動化:ユーザー操作に伴う繰り返し処理を裏で自動化し、UI を軽く保つ。
- データ連携・同期:Google のデータ(スプレッドシート、ドキュメント、フォーム)と自社サービスや外部 API を自動連携する。
- カスタム UI/ワークフロー拡張:スプレッドシートにカスタムメニューやボタンを付加し、操作性を改善する。
- 通知やリマインダー機能:特定条件におけるユーザー通知やメール自動送信の仕組みを設計導入する。
具体的な事例
- Google フォームに入力されたデータを受け取り、スプレッドシートに記録し、Gmail で自動返信を行う。
- スプレッドシート上のデータを基に、定期レポートを生成し、PDF 化してメールで配信する。
- Google スプレッドシート上にボタンを設置し、クリックで複雑な処理を一発実行できるようにする。
- ワークショップや社内ツールで、ユーザー操作をログ取りつつ、次に提示すべき画面を自動判定する仕組みを補助的に内蔵する。
プロダクト・コンテンツデザイン視点で「この場面に使えるかな?」
- テンプレート生成ツール:ユーザーが Web フォームで入力した内容をもとに、デザインテンプレート(例:定型文書、プレゼン資料)の初版を自動生成する。
- ダッシュボード補助:Google スプレッドシートで集計したデータをもとに、UI に表示すべきグラフ・指標を自動選択・生成する。
- プロトタイピング支援:デザイナーが設計案をスプレッドシートに落とすと、GAS が仮 UI プレビューやモックアップ生成を補助する。
- テストデータ準備:実際のサービス設計前段階で、GAS によって仮データを整備し、UI チェック用モックを即時用意する。