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プロダクトマーケットフィット product-market-fit

プロダクトが特定の市場に熱狂的に受け入れられている状態

プロダクトマーケットフィット(PMF)とは、プロダクトが適切な市場にあり、その市場の顧客を満足させられる状態を指す。
これは単に製品が売れている状況ではなく、顧客がその製品なしではいられないほど深く依存し、自発的に他者へ推奨するような熱狂的な支持を得ている状態を意味する。PMFは、プロダクト開発における無駄をなくし、成功確率を最大化するための強力な羅針盤として機能する。

市場がプロダクトを引っぱる状態

PMFは、「プロダクト」「マーケット」「フィット」という3つの要素から構成される。

マーケットとは共通の課題を持つ顧客群であり、プロダクトはその課題を解決する具体的なソリューションである。
そしてフィットとは、プロダクトが市場の課題を見事に解決し、顧客がその価値を明確に認識している状態を指す。このフィットが生まれると、プロダクトは作り手が意図的に押し広げなくても、市場の力によって自然と引き寄せられるように成長を始める。

口コミが自然発生し、顧客獲得コストが劇的に下がり、解約率が低く維持されるといった現象が観測されるようになる。

語源・提唱者

引用:https://wired.jp/article/plaintext-marc-andreessen-techno-billionaire-wrong-techno-optimism/

この概念を広く普及させたのは、Netscapeの共同創業者であるマーク・アンドリーセンである。

彼は2007年のブログ記事で、スタートアップが成功するために最も重要な要素は「市場」であると説き、PMFの概念を明確に提示した。
彼の提唱の背景には、ドットコムバブル崩壊後の厳しい市場環境がある。多くの企業が技術先行でプロダクトを作り、市場に受け入れられずに失敗していく様を目の当たりにし、プロダクト開発の前提として「市場ありき」で考えることの重要性を強く訴えたのである。

開発の無駄をなくす共通の羅針盤

現代の市場はプロダクトで飽和しており、単に優れた機能を持つだけでは成功はおぼつかない。
限られたリソースをどこに投下し、本当に価値のあるものを作り上げるか、その指針が不可欠となる。

PMFは、そのための強力な羅針盤として機能する。プロダクト開発におけるあらゆる意思決定を、「市場に受け入れられるか」という一点に集約させることで、開発チームの目を内向きの機能開発競争から、外向きの市場への価値提供へと転換させる。
これにより、無駄な開発を避け、成功確率を最大化するための中心的な考え方となるのである。

魔法の質問で熱狂度を数値化する

PMFを達成するためには、まず現状のフィット感を客観的に測定する必要がある。そのための実践的な手法が「PMFサーベイ(ショーン・エリス・テスト)」である。

この手法は極めてシンプルで、プロダクトのユーザーに対し、「もしこのプロダクトが明日から使えなくなったら、どう感じますか?」という中心的な質問を投げかける。選択肢は「非常に残念」「少し残念」「残念ではない」「該当しない(もう使っていない)」の4つを用意する。
このサーベイの目的は、プロダクトがユーザーにとってどれだけ不可欠な存在になっているかを定量的に把握することにある。

40%の壁で次の一手を判断する

PMFサーベイの結果は、プロダクト開発の次のアクションを決定する重要なインプットとなる。

提唱者であるショーン・エリスによれば、「非常に残念」と回答したユーザーの割合が40%を超えている場合、PMFを達成している可能性が高いとされる。
もし40%に満たない場合、プロダクトはまだ「なくてはならない」存在には至っていないことを示唆する。

この結果に基づき、熱狂的な支持層(「非常に残念」と回答した層)が愛する体験をさらに強化するのか、あるいは「少し残念」と回答した層が抱える課題を解決し、彼らを熱狂層へと引き上げるのか、といった戦略的な判断を下すことが可能になる。

関連用語

– プロブレムソリューションフィット (Problem-Solution Fit)
MVP (Minimum Viable Product)
リーンスタートアップ (Lean Startup)

UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。

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