アクショナブルメトリクス
actionable metrics

ビジネスをどのように改善すれば良いか判断できる指標

計測した結果、ビジネスをどのように改善すべきか判断できる指標を表す。「次の行動につながる指標」ともいう。アクショナブルメトリクスは明確な答えを導き出してくれるわけではなく、改善するための方向性を示してくれる役割を持つ。

例えば、「一定期間におけるユーザー獲得率」を指標として、各種SNSでのプロモーション効果を計測する。結果としてFacebookを用いたプロモーションが一番多くのユーザー数を獲得できたならば、その後はFacebookを活用したプロモーション戦略を推進すれば良いと判断できる。

媒体としてFacebookである場合においても、配信方法・デザイン・内容・時間帯においてもいくつか検証すべきである。
その上で再度「Facobookにおける一定期間で獲得したユーザーの割合」を指標として、配信する内容を数パターン用意する。全てのパターンを実施した結果、どの方法が一番有効か比較しよう。

KPIを定めるには、単なる数字だけに囚われずに、この様なビジネスの成長を正確に反映している指標(=アクショナブルメトリクス)を用いるべきである。

重要なのは、次に取るべき施策が分かるデータ

メトリクスを用いるのであれば、次の打ち手が明確に分かることが重要である。また、いくら数値が伸びていても、コストがかかりすぎてはビジネスの総合的な成功には繋がらない。

有料動画配信サービスを例に考える

有料動画配信サービスの新規加入プロモーションで、「一定期間でサービスに登録してくれたユーザーの割合」というメトリクスを用いて、マーケティング手法の効果を検証してみる。

利用するSNSの候補としてTwitter、Facebook、Instagramを用意した。それぞれ2週間、SNS上で同じ回数プロモーション内容が表示された場合の比較検証したところ、以下の結果が得られたとする。

プロモーションに利用したSNSの比較

Twitter Facebook Instagram
閲覧(PV)数 1,000 600 1,000
サービス登録者数 50人 120人 150人
登録ユーザーの割合 5% 20% 15%

表の真ん中にある「サービス登録者数」だけを見た場合、Instagramの150人が最も効果的と思われるが、ユーザーの登録率となる「登録したユーザーの割合」が20%のFacebookが一番効果が高いと判断できる。このメトリクスから、Facebookを用いたプロモーション活動を優先すべきという判断が下せる。

時間帯の比較

Facebookでプロモーションを行うことが決定した場合でも、どのような文章にするか、どの時間帯に出すか、どのセグメントに配信するか等、様々な観点で施策の比較検討をすべきである。配信時間は、ユーザーの行動に紐づく重要な指標の1つであり、どの時間に接触が多いかで、ユーザーが行っている生活サイクルを推測する。

効果を最大化させる配信時間帯を選ぶには、「登録したユーザーの割合」をメトリクスにする。同じプロモーション内容で時間帯を分けて配信したところ、以下の結果が得られた。

8時〜10時 11時〜13時 14時〜16時 17時〜19時 20時〜22時 23時〜1時
閲覧(PV)数 300回 100回 50回 50回 150回 200回
サービス登録者 30人 10人 0人 5人 30人 60人
登録ユーザーの割合 10% 10% 0% 10% 20% 30%

以上の結果から仮説を導き出すことができる。

データーからの仮説

データ 仮説
8時〜10時に閲覧するけれど、登録に繋がっていない じっくり閲覧できる状況ではなく、動画を閲覧するほどの時間はない
14時〜16時に閲覧しても登録しない、閲覧する頻度も少ない 動画を閲覧したいというニーズが無い、または動画を閲覧する環境にいない
20時以降には閲覧する回数も多く、登録する確率も高い ユーザーは夜の時間帯に余暇時間を持っている

それぞれの仮説を組み合わせて「8時~10時に出勤して、19時に退勤、帰宅後はゆっくり時間が取れるビジネスマン」というユーザーを想定できる。

メトリクス(数値)だけでなく定性調査も必要

メトリクスからは因果関係を読み取れない

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メトリクスからユーザーのニーズに対して仮説を立てる

閲覧者の割合としてビジネスマンが多いと仮定した場合に、メトリクスから得られるインサイトは以下のようになるだろう。

  • 8時〜10時の時間帯は通勤時間にあたるため、通勤時間に訪問する確率が高い
  • 20時以降は帰宅しており、リラックスの手段として動画を閲覧したいと考えている

アクショナブルメトリクスを設定し計測することは、ビジネスを成長させるために有効である。しかし、メトリクスだけで意思決定をすべきではない。調査を行う際には、定量調査と定性調査を掛け合わせることが重要である。

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参考文献

この記事を書いた人:藤原 脩平

現在、システムエンジニアとして自社サービスの企画/開発を行なっています。
ユーザーファーストなサービス開発を心がけたいという思いから、UX DAYS TOKYOのスタッフとして活動を始めました。

最近はリサーチスキルを伸ばすために統計学を勉強している。