TOP UX用語 ツール・フレームワーク・方法論 AIDMA(アイドマ)

AIDMA(アイドマ)

消費者の購買行動プロセスをあらわしたAttention(注意) Interest(関心)Desire(欲求) Memory(記憶) Action(行動)の頭文字を取ったもの。

消費者が商品・サービスを購入・申込する際のプロセスを説明するためのモデルである。

  • 商品・サービスを知り(注意: Attention)
  • 興味関心を持ち(関心: Interest)
  • 欲しいと思い(欲求: Desire)
  • 商品・サービスを記憶して(記憶:Memory)
  • 購入・申込みする(行動: Action)

購買行動に合わせた消費者へのコミュニケーション戦略を行う際に利用できるフレームワークで、1924年にサミュエル・ローランド・ホール(Samuel Roland Hall)が著書「Retail Advertising and Selling」で提唱した。

商品やサービスを提供する企業では、消費者にとって最適なコミュニケーションを考えるために、このような購買行動プロセスのフレームワークを用いることがある。

Attentionを「認知段階」、Interest、Desire、Memoryまでを「感情段階」、Actionを「行動段階」3つに区別をして、消費者にアプローチを行う。

AIDMAの法則-プロセス-

実際の購買行動と照らし合わせたプロセス例

AIDMAに沿って、新型のスマートフォンの購入を例に考えると、消費者は以下のような行動プロセスをたどる。

Attention(注意):認知段階

現在のスマートフォンを2年近く使用している消費者に対して、CMで新型のスマートフォン宣伝が流れた。漠然と買い換えたいと思っていた消費者に、そのスマートフォンが印象に残る。

Interest(関心):感情段階

現在使用しているスマートフォンと比較をしてデザイン、機能ともに優れている。特に重視するカメラ機能が抜群である。まずは実物をみに行こうと思う。

Desire(欲求):感情段階

消費者は実際に家電量販店に足を運び、そのスマートフォンについて店員から説明を受け、自身でも体験してみる。機能だけでなく、使いやすさも体感する。

Memory(記憶):感情段階

その場では購入せずに一旦店を後にするが、それからも現在をスマートフォンを使う度に、新型の良さを思い出す。

Action(行動):行動段階

後日、再度家電量販店に赴き、新型スマートフォンを購入する。

商品・サービス提供者がとるアプローチ

認知段階ではまず消費者が抱えている悩み(またはニーズ)を想定し、関心を持つような広告を打ち、注意を引く。感情段階では体験してもらい、購買意欲を高めてもらうと同時にネックとなる部分を解消していく。行動段階では最終的に購入をしてもらう。

以上のように購買行動に合わせて最適なコミュニケーションを取ることで消費者に購入を促す。

インターネット時代の行動プロセスAISAS

AIDMAが提唱された1920年代頃にはなかったインターネットが普及したことで、新しい消費行動プロセスが日本の電通によって2000年ごろから提唱された。それがAISASである。

Attention(認知・注意)Interest(興味・関心)Search(検索)Action(行動)Share(共有)の頭文字をとったものである。

インターネットが登場して以降、消費者はCM等の広告で認知/関心を持った商品を検索をして、購入等のアクションを起こして、それをSNS等でシェアをしていくプロセスをたどる。企業はシェアまでを考慮したマーケティング戦略を行うことで、そのシェアによってさらに別の消費者が認知~購入~共有といった循環を生むことができる。

AIDMAとAISASの使い分けについて

厳密に2つの使い分けはなく、現実では、AIDMAとAISASが組み合わさり、消費者とのコミュニケーション方法がより多岐に渡り複雑化している。それはマーケティング戦略がネットとリアル両方が絡み合っているケースが多くなっているからである。

例えば、2010年代前半の頃、旅行を計画する際、目的地を決め、本屋やインターネットで周囲の観光地を調べ、いくつかの予約サイトを比較検討して、ホテルを予約するといったケースが多かった。

しかし、2010年代後半では、目的地や周囲の観光地をInstagramなどのSNSを活用する消費者(ユーザー)も一定数増えた。よって観光地は集客をするために、特定の媒体に広告掲載をしたり、雑誌に取り上げてもらうだけでなく、SNSの投稿を見て関心や行きたいと思ってもらえるような仕掛けを考える必要が出てきた。

コンテキストを考慮しアプローチをする

サービス提供者がAIDMAを元に消費者とアプローチする場合、消費者のコンテキスト(置かれた状況)を考慮しなければならない。例えば、ある商品を認知してもらうため、ターゲットとなる消費者はどこに・どんな時間帯に・誰と居るか。例えば、ターゲットの居場所が乗り物であったとして、消費者に対して、電車内でのアプローチ方法とタクシー内でのアプローチ方法は異なる。AIDMA等のフレームワークを活用する際も、消費者の背景や心理状況を考慮してアプローチすることが大切である。

関連用語

参考文献・記事

「UX用語」のカテゴリー