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ビッグデータ Big Data

従来のデータベース管理手法では処理困難なほど巨大かつ多様で、リアルタイムに生成されるデータの集合

個人のスマートフォン利用履歴、SNS投稿、GPSログ、IoTセンサー情報、企業の購買履歴、医療記録など、ユーザーの生活に関わる多岐にわたるデータ。特徴として、5つのVとして表される。

ビッグデータの「5V」要素

  • Volume(量):膨大なデータ量
  • Velocity(速度):生成・処理速度の速さ
  • Variety(多様性):構造化/非構造化を含む多様な形式
  • Veracity(信頼性):データの正確性や一貫性の重要性
  • Value(価値):活用することで得られる洞察や付加価値

提唱者

ダグ・ラニ―

ダグ・ラニ― 引用 https://giesbusiness.illinois.edu/profile/douglas-laney

「ビッグデータ」という用語そのものに明確な提唱者は存在しないが、2001年にMeta Group(現Gartner社)のアナリスト、ダグ・ラニ―(Doug Laney)が「3Vモデル(Volume・Velocity・Variety)」を提示したことで、今日のビッグデータ概念の礎が築かれた。

しかし、その信頼性と価値がないデータは意味がないとし、(Veracity(信頼性):データの正確性や一貫性の重要性)と(Value(価値):活用することで得られる洞察や付加価値)が追加された。

デザインにおける利用方法

ビッグデータは、ユーザーの行動ログや選好、使用文脈に関する大量の情報を分析することにより、デザインの最適化・個別最適化(パーソナライズ)・需要予測などに利用される。

活用方法の例

項目 内容
UX設計のチューニング どの画面で滞在時間が長いか、離脱が多いかなどを分析し、ナビゲーションやUI改善に反映する。
パーソナライズ表示 購買履歴や閲覧傾向から、ユーザーごとに異なるバナーやおすすめコンテンツを表示。
A/Bテスト × 機械学習 巨大なアクセスデータを元に、自動で勝ちパターンを選定・適応させるアルゴリズム開発。
感情分析 SNSやレビューなどのテキストを自然言語処理で分析し、ネガティブ/ポジティブ反応を定量化。

プロダクト・コンテンツデザインで使えるシーンと事例

シーン 活用事例
ECサイトの改善 数百万件のユーザー行動から、購買率が高い導線を分析。不要ステップを削減して離脱率を低減。
音楽アプリのレコメンド ユーザーの聴取履歴・時間帯・地域データを組み合わせ、最適なプレイリストを個別に生成。
健康管理アプリ ウェアラブル端末からの心拍数・歩数・睡眠ログなどを解析し、体調に応じたアドバイスを配信。
学習プラットフォーム 問題ごとの正答率や解答時間を集計し、苦手分野の可視化や最適な問題セットを提供。

まとめ

ビッグデータは、ユーザーの「体験」を精密に把握し、プロダクトの成長に資する意思決定を可能にする強力な基盤である。従来の観察や仮説主導のUX設計と補完的に活用することで、より解像度の高いユーザー理解と、戦略的な改善施策の立案が可能となる。

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UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。

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