カテドラルとは聖堂を意味しており、日本語では天井高効果と呼ばれることもある。
天井の”目立った”高さにより発生
この効果は、天井の高さが目立って高い、あるいは低い時に発生する。「目立って」とは、「天井が高い」「天井が低い」と人が認識することを意味する。つまり、天井の高さが特に意識されない場合、この効果は生じない。
天井が高い場合
天井が目立って高い場合、抽象的・創造的な思考が促進される。つまり、常識にとらわれず自由な発想が求められる場合は、高い天井の大きな部屋が理想的である。
例を挙げると、新規事業立案等のブレインストーミングの場である。こういった場は、今までの常識にとらわれない発想が必要となりやすく、広く高い天井の部屋で実施すると効果的である。
天井が低い場合
天井が目立って低い場合、細部を掘り下げる思考が促進される。つまり、具体性があり細部に注意を払う必要があるような作業を行う場合は、低い天井のあまり大きくない部屋が理想的である。
例を挙げると、手術の場である。手術の現場、つまり手術室は天井が低く設計されている。これは、具体性があり細部に注意を払い集中力を持って臨む作業という目的に効果的である。
部屋の天井の高さによって促進される思考タイプ
「滞在時間」に与える影響
天井の高さは、思考促進に影響を与えるだけでなく空間への滞在時間にも影響する。
天井が高い空間は、長時間の滞在を促進する効果がある。そのため、カジノ等の顧客に長時間滞在してほしい空間を設計する際に用いられる。ホテルや高級なカフェも天井が高く、長時間の滞在が心地よく感じるように設計されている。
一方、天井が低い空間は、短時間の滞在を促すため、ファストフード等の顧客の回転率が求められる空間を設計する際に用いられる。
参考
- 要点で学ぶ、デザインの法則150 -Design Rule Index No.18 カテドラル効果
- 事務所の天井は高い方がいい(カテドラル効果)