コロンビア大学のシーナ・アイエンガー(Sheena Iyengar)教授によって提唱されたものである。
彼女の有名な実験に「ジャムの実験」があり、スーパーで24種類のジャムを陳列したグループと6種類のみを陳列したグループを比較したところ、少ない選択肢の方が購入率が高かったという結果が得られた。この研究は、選択肢が多すぎると人々が決断を避ける傾向があることを示している。
デザイン上の利用方法と具体例
選択過多バイアスは、UXデザインやサービス設計において重要な指針となる。
特にユーザーに対して選択を求める場面(例:商品選択、プラン選択、設定画面)では、選択肢を必要最小限に絞ることが推奨される。
利用方法の例:
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初期画面で選択肢を3~5件に絞り、それ以外は「もっと見る」などの折りたたみ構造にする。
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複数の料金プランを提示する際は、「ベーシック・スタンダード・プレミアム」の3段階構成が効果的である。
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検索フィルターなどにおいても、デフォルトで表示する項目を絞り、詳細フィルターは必要時に展開させる設計が好ましい。
具体例:
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Spotifyのプレイリスト選定は、あらかじめパーソナライズされた選択肢を数件提示することで、ユーザーが迷うことなく音楽を再生できるようになっている。
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Amazonでは「おすすめ商品」や「ベストセラー」などのラベルで選択肢を絞り、過剰な商品表示による負担を軽減している。
提唱者の情報
シーナアイエンガー(引用:https://sheenaiyengar.com/)
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名前:Sheena Iyengar(シーナ・アイエンガー)
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肩書き:コロンビア大学ビジネススクール教授
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主な著作:『選択の科学(The Art of Choosing)』