本来は複数ある選択肢を「AかBか」の二択しかないかのように提示し、他の可能性や中間の選択肢を排除してしまう論理的・認知的誤りである。
占い師から壺を購入すると災難がなくなる。購入しないと続くと言われ、災難が続いている場合は、その2択から選択しがちになる。この2択だけでない選択が残っているので正しく考える必要がある。
2のn乗で考える
壺 | 不幸 | |
隠されていた選択肢① | 買う | 不幸になる |
悪徳業者が提示した選択肢① | 買う | 不幸にならない |
悪徳業者が提示した選択肢② | 買わない | 不幸になる |
隠されていた選択肢② | 買わない | 不幸にならない |
提唱者・背景
特定の個人による提唱ではなく、古典的な論理学・認知バイアスの領域で扱われている概念である
デザイン上での活用方法と事例
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リサーチ:ユーザーに対して「はい/いいえ」だけで回答させる設問形式は、重要な中立や“どちらでもない”という選択肢を排除しがちであるため、三択やスライダー形式で回答の幅を持たせる。
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プロダクト企画:機能比較を「A社製≒良/B社製≒悪」と黒白で捉えると競合分析が偏る。中立の選択肢・複合案を検討し、ユーザーの多様なニーズを反映させることが重要である。
- 広告デザイン:心理的に迫っている場合において、思い込みをさせるデザインになっていないか確認する。
「この場面に使えるかな?」
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シーン:オンボーディングのアンケートで「この機能は役に立ったか」はい/いいえ形式で聞く場面。
改善例:「どの程度役に立ったか?」と5段階評価やスライダーを用意し、応答の幅を広げることでユーザー心理や改善点をより詳細に把握する。