TOP UX用語 心理学・行動経済学・脳科学 確証バイアス

確証バイアス Confirmation Bias

個人の先入観に基づいて、自らの仮説や考えを支持する情報ばかりを選択し、否定する情報を無意識的に避けてしまう性質

確証バイアスとは認知バイアスの一つで、自分にとって都合の良い情報ばかりを集めてしまう性質である。

例えば、「A型の人は几帳面だ」という先入観があると、10人中3人が几帳面だったとしても3人の几帳面な人に意識が行ってしまう。また、残りの7人については「A型なのに几帳面じゃないのは、めずらしい」と感じてしまう。

ウェイソン選択問題

確証バイアスを利用した論理パズルとして、認知心理学者のPeter Cathcart Wasonピーター・カスカート・ウェイソンが1966年に考案したウェイソン選択問題がある。

ウェイソンが行った研究問題

「表に偶数が書かれたカードの裏は赤である。」という仮説を検証するためにひっくり返すべきは何番か、最小の枚数で答えよ。というものである。

問題:以下の仮設を検証するためにどのカードをひっくり返すべきか、最小限の枚数で答えよ。仮設:表に偶数が書かれたカードの裏は赤色である。①表に3が書かれたカード②表に8が書かれたカード③裏が赤色のカード④裏が青色のカード。正解:②と④

ウェイソン選択問題の問題と解説

正解は「②と④」であるが、検証した90%以上の人が「②と③」と誤答した。これは、”偶数であり赤色であるものを探そう”という確証バイアスから誤答している。確証バイアスがかかっていると仮説を支持する証拠(=偶数、赤色に関する情報)を集めにいってしまう

ちなみに、問題の正解を解くカギは「仮説に反する証拠を探すこと」で、④を選択できるようになる。
「偶数のカードの裏が赤でない」または「裏が赤以外のカードの表に偶数が書かれている」場合に、この仮説が否定される。

ユーザーが持つ確証バイアス

ユーザーも確証バイアスを持っている。確証バイアスを持ったユーザーは、一度先入観を持つと、新しい情報が入ってきても、無意識に先入観に合わせた情報を拾いやすくなる。

チープなデザインのサイトでは、商品がいくら魅力的でもどこか安ぽい印象をひきずる。ECサイトで一番最初に目についた商品が高価な場合は、他の商品も高価なのではないかと先入観を抱く可能性がある。

マイナスの確証バイアスを働かせないよう、印象を決めるサイトのトップページやファーストビューに入る情報は、細心の注意を払って制作をすることが重要である。

参考文献

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