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CES Customer Effort Score

顧客がサービスを利用する際にどの程度の労力や努力が必要だったかを数値化する指標

顧客が企業とのやり取りにおいて「どれだけの努力を要したか」を数値で測定する指標である。

2010年に、コンサルティング会社Corporate Executive Board(CEB)(現在はGartner傘下)が提唱した。
CES(カスタマー・エフォート・スコア)は、従来のCSAT(顧客満足度)やNPS(ネット・プロモーター・スコア)と並ぶ顧客体験(CX)指標の一つとして広まり、特にサポート体験やオンボーディングの改善に活用されている。

提唱者について

この指標は、CEBのMatthew Dixon(マシュー・ディクソン)らの研究チームによって開発された。
彼は著書『The Effortless Experience』の共著者でもあり、CESの概念を普及させた人物である。

デザインにおける活用方法と事例

1. UXライティングやマイクロコピーの評価

CESは、ユーザーがエラーメッセージやガイドを読んだときに「分かりやすかったかどうか」「すぐに解決できたか」を定量的に評価するのに役立つ。

例として、FAQやチャットボットのインターフェースで「この回答は役に立ちましたか?」ではなく、「この問題は簡単に解決できましたか?」と尋ねることで、ユーザーの“努力の軽減”を測れる。

2. オンボーディング・フローの最適化

SaaSプロダクトにおいて、新規ユーザーが初めてアカウント設定や初期操作を行うフローにCESを導入すれば、「導入のしやすさ」を定量化できる。ユーザーが「簡単だった」と感じた場合、離脱率が減少し、エンゲージメント向上が見込まれる。

3. カスタマーサポートの品質向上

カスタマーサポートチャット終了後、「問題の解決までにどれだけの労力が必要だったか」を問うことで、オペレーターの対応の質を可視化し、対応の自動化やサポート記事の改善につなげられる。

具体的なシーン(プロダクト/コンテンツデザイン)

シーン:オンラインバンキングアプリの住所変更手続き

現象

ユーザーが住所変更手続きを完了するまでに何度もエラーが発生。

CES導入

フローの最後に「この手続きは簡単でしたか?(1=非常に難しい〜7=非常に簡単だった)」と尋ね、数値が低い場合はUX上の課題として優先的に改善対象とする。

施策

 入力項目の自動補完、マイクロコピー改善、ヘルプリンク追加などの対策を講じることでCESを向上させられる。

  • CESとは何か(定義)
  • 計測タイミングの例(サポート、オンボーディング後など)
  • スコアの例(1〜7や1〜5など)
  • NPSやCSATとの違い
  • どんなアクションに活用されるか(デザイン施策と連携)

UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。

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