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形態は機能に従う Form Follows Function

デザインにおける美しさは、機能に従属するものだという考え方。デザインを行う場合のみならず、評価をする際にも用いられる。

「形態は機能に従う」の用法

「形態は機能に従う」は、以下の2つの用法がある。

1. デザインを描写するための用法
描写する対象の美しさは、機能の純粋さと装飾性の無さに因るものだ、という用い方。機能を基準としたデザインは他のデザイン方法に比べて、客観的な美的価値観を与えることが出来る。

2. デザインをするための用法
デザインをする際には、デザインの美しさよりも、デザインの機能を考えることを優先すべきだ、という用い方。デザインの省略や機能の削除、機能の交換を考えるよりも、機能を満たすためにはデザインのどの面が重要かを考えるべきである。

「Design Rule Index 第2版 デザイン、新・25+100の法則」より引用

モダニズムのデザイン概念指標に

19世紀フランスの博物学者 Jean-Baptiste Pierre Antoine de Monet, Chevalier de Lamarckジャン=バティスト・ラマルクが提唱した生物の進化論「用不用説」を源流と言われている。生物個体は多用する器官は発達し、不要な器官は退化するというように、後天的に獲得した性質(獲得性質)が子孫に遺伝することで進化の現象を表すという説。

ジャン=バティスト・ラマルク(出典元:Wikipedia

アメリカの建築家 Louis Henry Sullivanルイス・サリヴァンが、「Form ever follows function(形態は常に機能に従う)」という言葉を残し、それが短縮され、この言葉となった。

ルイス・サリヴァン(出典元:Wikipedia

Louis Henry Sullivanルイス・サリヴァンは、19世紀に近代建築を代表する鉄骨構造の高層建築を推進させたシカゴ派を代表するひとりである。それ以前の建築は、石造建築であり壁面で荷重を支えるため構造的な制約がかかっていたが、鉄骨構造建築では荷重を支えるのは柱へと変わった。彼は、そのような制約から開放されデザインに変化を与えることができると見通し、この言葉を建築の基本原理として紹介した言われている。

その後、この言葉はモダニズム(近代主義)のデザイン指標として用いられるようになった。モダンデザインを牽引したドイツのデザイン学校「バウハウス」でも同方針のもと、美術や建築、工芸の教育が行われ、マルセル・ブロイヤーの椅子を始めとした多くのデザインが生み出された。

マルセル・ブロイヤーの代表作 ワシリー・チェア(出典元:Wikipedia

装飾性よりも機能性を重んじるモダニスト(近代主義者)という存在も、これらの流れから生まれたものである。

UIデザインにおける機能美の追求

以下の2フレーズは、合理的かつ機能的を求めるモダニズムのデザイン概念として用いられることが多い。これらは、ふたつでひとつの意味を成すと言っても過言ではないフレーズだ。

  • 形態は機能に従う(Form Follows Function)
  • 少ないほど豊かなこと(Less is More)

これらの概念は、建築やインダストリアルデザインの中から生み出されたものでWebデザインには関係ないようにも思われる。

しかし、装飾を極限まで減らした最低限のデザインで最大限の機能性を発揮させる、という思想は、近年注目を浴びているアトミックデザインをはじめとしたUIデザインにおいて非常に重要なものである。

ヒックの法則にあるように情報過多は、ひいてはユーザビリティの低下を招く。それを防ぐためには、いかに少ないデザイン(表現)でユーザーが必要とする情報を与えるか、を追求する必要がある。

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