マーケティングにおける考え方の一つで、商品購入やサービス加入までの意思決定における過程をいくつかのフェーズに分けて図式化したもの。広く集客したうえで、ふるいにかけられた見込み顧客が、検討、商談、そして成約へ流れる中で段々と少数になっていくことをいう。その様を図にすると、漏斗で濾した様子に似ているところからそう呼ばれている。マーケティングの文脈では、一般にパーチェス(購買)ファネル、マーケティングファネルなどと呼ばれることが多い。
商品購入、サービス加入のプロセスにおいて、「認知」がリードジェネレーション、「興味・関心」がリードナーチャリング、「検討」がクロージングの段階にあたり、最後に「購入」に至る。
B2Cの商品・サービスだけでなく、B2Bでも認知向上、見込み顧客の育成、クロージングに応用することが可能である。
ファネルの種類
マーケティングにおけるファネルは複数の種類が存在する。
インフルエンスファネル
消費者がコンバージョン(購入・加入)してからの行動を表したもの。
SNSやサイトにみられる口コミやレビューの影響力が強くなり、ユーザー自身が広告塔(インフルエンサー)となる時代になってきた。商品(サービス)に対するイメージ、拡散方法など、消費者の購入後を考えるときに活用するモデル。
ダブルファネル
パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたもの。
購入後の評価によってその後の商品・サービスの売れ行きに大きな影響が出るケースに使用されることが多い。継続的な購入を狙う場合や、SNSでの拡散を狙う場合は、購入後の発信・拡散を設計していく必要がある。
ファネルの進化
マーケティングにおいて広く使われてきたファネルであるが、近年は顧客獲得の流れが複雑になったため、以下のような指摘を受けている。
- 認知から購入までは一直線ではない
- 消費者が購入までに接するチャネルの視点が抜けている
Netflixなどサブスクリプション型の「購入」というアクションが継続されるものについては、ファネルのように一直線の図ではなく循環的な形で考える必要がある。
関連用語
- AIDMA
- AISAS
- リードジェネレーション
- リードナーチャリング
- カスタマーアドボカシー
- リテンション
- アップセル