光沢感バイアス
Gloss Bias

光沢感のある物体が、くすんだ物体よりも好まれる普遍的な傾向

人は、色つやの鈍い物体より、光沢感のある物体により興味を示し、魅力を感じる傾向にある。

この傾向は祖先から受け継いだもので、原型(Archetype:人間が本能的に引き付けられる普遍的なパターン)の一種である。
「物体の表面に光沢が認められるのは、近くに水源がある印」として、原始生活で水源を見つける能力に関係し、環境適応に有利に働いた。この感覚が現代人にも受け継がれ、人は普遍的に光沢感に魅力を感じる。

左:水に濡れて光沢感のある葉  右:光沢感のない枯れ葉

左:水に濡れて光沢感のある葉  右:光沢感のない枯れ葉

一般の方・子供に効果が強い

リップ、ジュエリー、紙、製品仕上げなどは、一般につや消しの商品より光沢のある商品の方が好まれる。
表面仕上げの方法を選ぶ時は、光沢感バイアスを考慮する。

一般の人は光沢を好む傾向が強いが、多様な表面処理を知っている熟練の人には傾向が弱い。
例として、メイクに詳しい女性は、流行に応じて時折ツヤなしリップを好むことが挙げられる。

目の前に差し出されたものを舐める傾向がある幼児に、光沢感を好む傾向が強い。つやがないものより光沢があるものに強く反応し、舐めてしまう。

光沢感のある子供のおもちゃ

光沢感のある子供のおもちゃ

画像にも効果が働く

有形物だけでなく、有形物の画像にも光沢感バイアスは働く。
サイト・アプリのグラフィックに、光沢感のある画像を用いることで、光沢感バイアスを活用することができる。

光沢感のある画像を使ったサイトメインビジュアル

光沢感のある画像を使ったサイトメインビジュアル
(引用: SONYモバイル

UIに光沢感の活用が少ない理由

「製造された素材と見た目の素材が違うように見えるように誤魔化すと、デザインの価値が損なわれ、時代の変化に耐えることができない。」と、工業デザイナーのNorman Bel Geddesノーマン・ベル・ゲデスは、20世紀初頭に提唱した。

製造された素材に忠実な装飾表現を踏まえると、UIの画面内の表現はガラス製や鉄製ではなくコードでできており、Webやアプリケーションの性質に基づいた表現にする必要がある。
ドロップシャドウ・フォームシャドウ・ハイライト・反射などの照明効果は、デジタルスクリーン内に光源がないため、素材に忠実でない表現といえる。この考えを元に、Webやアプリケーションの性質に基づいた装飾表現として、フラットデザインが提唱された。

参考文献・記事

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イケダマリカ

スタートアップでデザイナーとして調査、UX設計、UIデザインとフロントエンド実装をやっています。UXも技術も日々勉強中!趣味は片付け、インテリア小物とゲームです。