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GRPIモデル GRPI Model

チームの健全性を診断するための枠組み

チームで仕事をしていると「なぜかうまく進まない」「議論が噛み合わない」といった課題に直面することがある。GRPIモデルは、こうした問題の根本原因がどこにあるのかを構造的に解き明かす「チームの健康診断ツール」である。4つの要素を順番に確認することで、表面的な問題に惑わされることなく、チームの潜在能力を最大限に引き出すことができる。

4つの階層でチームの状態を可視化

GRPIモデルは、チームの状態を4つの要素に分けて考える。それは「目標(Goals)」「役割(Roles)」「プロセス(Processes)」「人間関係(Interpersonal Relationships)」であり、頭文字をとってGRPIと呼ばれる。

このモデルの最も重要な点は、これらが階層構造になっていることである。建物の土台である「目標」が最も重要で、その上に「役割」が、さらにその上に「プロセス」が乗り、一番上に「人間関係」が乗っているイメージだ。人間関係に問題が見えても、実は土台である目標が共有されていないことが本当の原因かもしれない、と考えるのがこのモデルの基本である。

語源・提唱者

このモデルは、組織開発の専門家であるRichardリチャード Beckhardベックハードによって1972年に提唱された。彼は多くのチームを観察する中で、目に見えやすい「人間関係の対立」の多くが、実はもっと根深い問題から生まれていることに気づいた。

例えば、メンバー間の不和は、仕事の進め方や役割分担の曖昧さが原因であり、突き詰めると「チームとしてどこを目指すのか」という目標が共有されていないことに起因する、という洞察である。

この発見に基づき、問題の根本原因を効率的に見つけ出すための診断ツールとしてGRPIモデルは開発された。

Richardリチャード Beckhardベックハード

チームの「なぜか」を構造的に解明

GRPIモデルが提供する最大の価値は、チームが抱える漠然とした「なぜか上手くいかない」という問題を、具体的な課題に分解できる点にある。

問題は必ずG→R→P→Iの順に影響を及ぼすという原則に従うことで、議論が迷走するのを防ぎ、的確な対策を打つことが可能になる。

* 根本原因の特定
表面的な人間関係の対立(I)ではなく、その原因となりうるプロセス(P)や役割(R)、さらには目標(G)の不一致へと遡って検証できるため、問題の根っこにアプローチできる。

* 共通言語の提供
チーム全員が同じ枠組みで現状を話せるようになるため、「何が問題なのか」についての認識を合わせやすくなり、建設的な話し合いを促進する。

チーム始動時の土台を固める設計図

新しいチームを立ち上げる際、GRPIモデルは非常に有効な設計図となる。キックオフミーティングなどで、以下のステップを順番に確認することで、チームの強固な土台を築くことができる。

1. G: 目標の共有
まず、このチームで何を達成するのか、成功とは何かを全員で徹底的に話し合い、共通のゴールを明確にする。
2. R: 役割の明確化
次に、目標達成のために誰が何に責任を持つのか、意思決定は誰が行うのかを具体的に決める。
3. P: プロセスの設計
会議の進め方や情報共有のルールなど、日々の仕事の進め方を具体的に合意する。
4. I: 人間関係の構築
チームとして大切にしたい行動規範(グラウンドルール)などを設定し、健全な協力関係の基盤を作る。

プロジェクト停滞時の健康診断に

プロジェクトが中盤に差し掛かり、停滞感やメンバー間のすれ違いを感じた時、GRPIモデルは「チームの健康診断ツール」として機能する。

この場合は、問題を逆から辿っていくのが効果的だ。まず、「最近、コミュニケーションがうまくいかない(I)」という現状を確認する。次に、その原因を探るため「情報共有のルールに問題はないか?(P)」とプロセスを検証する。さらに「役割分担が曖昧になっていないか?(R)」と遡り、最終的に「そもそも我々は同じ目標を見ているか?(G)」と根本に立ち返る。

このように、目に見える症状から原因を遡って診断することで、的確な打ち手を見つけることができる。

関連用語

  • RACIチャート
  • チーム憲章

タックマンモデル

BtoB人事業務アプリのコンサルタント→エンジニア→BtoCのWebディレクターを経て、再度BtoB業務アプリとなる物流プラットフォームのUIUXに挑戦。オンライン/オフライン双方でのBtoBUXを改善すべく奮闘中。

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