ニール・イヤールが提唱した顧客体験のプロセスを表す。フックモデルは「トリガー」「アクション」「リワード」「インベストメント」という4つのプロセスで構成されている。
フックモデルの4つのプロセス
提唱者:Nir Eyal
Facebookから見る4つのプロセス
トリガー(きっかけ)
ユーザーに、次の行動をしてもらう促すきっかけ。プロダクトの使用を促すもので、フックモデルの始まりのフェーズになる。
Facebookでいうと、初回利用時における「新しいアカウントを作成」にあたる。トリガーには、”外的トリガー”と”内的トリガー”の2種類がある。
外的トリガーは、前述した「アカウント作成」のような具体的な動作を促す視覚情報が主である。
内的トリガーは、人の感情に関わるトリガーで、Facebookの例では、孤独やさみしさを感じる時に閲覧することにあたる。Facebookで友人の様子を知り、繋がり・コミュニケーションを持とうと思う、人の内面に関係するトリガーである。
この内面的なトリガーがなければユーザーは行動そのものを起こすことはない。
内的トリガーから行動までの一例
アクション(行動)
ユーザーに、リワード(報酬)に期待を持たせ、単純な行動をしてもらうことである。
Facebookでは「画面をスクロールする」という単純な行動によって、「友だちの近況」「友達からの情報」という報酬を得られる。
Googleなら「検索ワードを入れてクリックする」という単純な行動によって、「欲しい情報」という報酬を得られる。この時とる行動が単純であるほど製品の利用が習慣になりやすい。
リワード(報酬)
ユーザーが、行動の結果として獲得できる報酬。ただし、”どのような報酬を得られるかは予測不能である”ことが大事である。
Facebookの画面をスクロールした場合の報酬は、友だちの近況や友達が出している情報だが、スクロールした際に「どのような情報が出てくるか」を予測できない。同様に、Facebookへの投稿も「どれだけの”いいね!”をもらえるか(報酬)」を予測できない。
どのアクション(行動)で、どのくらい報酬を享受できるのか予測できないからこそ興味が持続して習慣化(ハマる心理)に繋がる。
インベストメント(投資)
ユーザーがプロダクトに対して何らかの行動・労力を行うこと。
Faccebookの例では「友達の投稿をシェアする」、「記事を投稿する」などの行動が挙げられる。コメント(インベストメント:投資)することで、返事を期待する新たな内的トリガーが生まれる。このような少しの労力であることで手軽にでき、習慣化されやすくなる。
4つのプロセスのサイクル
ユーザーに、これら4つのプロセスを循環してもらうことで、日常生活の中で製品・サービスの利用が習慣になる。