人間が15秒から30秒の間に正しく覚えられる情報の量は7±2で、これは情報のかたまり(チャンク)の中での数のことを意味しており、7±2のかたまりにまとめるべきとした法則を短期記憶に関するミラーの法則という。単にミラーの法則と呼ばれる場合もある。
1956年、プリンストン大学の認知心理学者のジョージ・A・ミラー氏が発見した。
HCI(Human Computer Interaction)のプロフェッショナルも含めて沢山の人が間違って説明しているのをみます。この法則は、メニューやスライドの数が7コまでという最大値を意味していません。
そもそも、メニューは常に固定されていたり、スライドは見返すことができるので、覚えなくても大丈夫です。この法則は、あとで覚えておく必要がある項目に対して利用されるものです。
この法則を発見した ジョージ・A・ミラー氏 は、情報のカタマリ=チャンクの中でこの法則は利用されるとしています。
チャンク(カタマリ)は、ユーザーのワーキングメモリーに対して、他の入力がある場合などの環境(カーナビゲーション、携帯電話、公共の情報案内所)において非常に有効な方法と説明しています。
実際に例をみてみましょう
左と右の列は同じ情報が表示されています。左は「チャンクなし」、しかし右側のみ「チャンクあり」です。
カタマリなし | カタマリあり |
電話番号:0368734015 | 電話番号 : 03 6873 4015 |
住所:東京都品川区豊町6−5−9 | 住所 : 東京都 品川区 豊町6−5−9 |
名前:菊池崇 | 名前 : 菊池 崇 |
ID:125987654 | ID : 129 87 654 |
左の電話番号は、「0368734015」の文字列に空白がなく「電」から「5」まで、一つのカタマリです。
この時、「電」から「5」の文字数は15文字とミラーの法則の7±2文字以上です。一方で、右側のカタマリの文字数は、「電話番号」は4文字、「03」は2文字と、「6873」は4文字です。
もし、歩きながらレストランを探しているとき、ウェブサイト掲載の電話番号が画像の場合、タップで電話をかけられません。ブラウザアプリでウェブサイトに記載の電話番号を確認して、画面を切り替えて電話アプリのダイヤルパッド画面で入力をします。
初めてみる電話番号を、すぐに覚えられませんので、ブラウザと電話アプリを往復することになるでしょう。
その時に、いかに覚えやすくチャンクを作られているか、どうかは大きなUXのポイントになるでしょう。
食べログの改善例
交通手段の「六本木一丁目駅から60m」は、11文字となっており、ミラーの法則からはずれています。なので少し覚えづらいですね。
このあたりは改善の必要があるかと思います。
ミラーの法則ですが、モバイルのようなコンテキストにおいて、何かが同時並行で進むような環境が多い場合には非常に重要な法則です。