特化型AIは、NarrrowAI、弱いAIとも言われ、「画像認識」「音声認識」「囲碁」「チャット応答」「自動運転」など、特定目的に最適化されたAIであり、汎用的にどんな問題にも対応できる汎用人工知能(AGI:Artificial General Intelligence)とは異なる。
特化型AIは「ひとつのことに超強いAI」であり、現代社会におけるAIのほとんどがこのタイプである。
デザイン上に関わる利用方法と具体的な事例
利用方法
デザイン分野では、特化型AIは「人間の創造性を補完・拡張するツール」として活用される。
特定の作業をAIに委ねることで、デザイナーはより上位の思考や体験設計に集中できるようになる。
具体的な事例
- UIデザイン生成AI:FigmaやUizardなどは、手書きスケッチをUIに変換する特化型AIである。
- 画像生成AI:MidjourneyやAdobe Fireflyは、視覚的素材を生成するために訓練された特化型AIである。
- 音声合成AI:ナレーションや読み上げを自然に行う「VOICEVOX」や「Amazon Polly」なども特化型である。
- UXリサーチ支援AI:ユーザーインタビューを自動文字起こし・分析する「Notably」「Dovetail AI」などが該当する。
- 医療AI:レントゲン写真から病変を検出するAIは典型的な特化型AIである。
プロダクト・コンテンツデザインでの応用シーン
「この場面に使えるかな?」というシーンと事例
シーン | 活用される特化型AI | デザイン上の効果 |
---|---|---|
ワイヤーフレーム作成 | Figma AI, Galileo AI | 素早くデザイン案を生成し、検討速度を上げる |
ビジュアル生成 | Midjourney, Firefly | アイデア段階のビジュアル化が容易になる |
UXリサーチ | Notably, Dovetail | ユーザー発言の要約・分析をAIが支援 |
コピーライティング | Jasper, Copy.ai | 短いコピー案や構成案の初稿を効率化 |
データ可視化 | Tableau AI, Power BI Copilot | 複雑なデータを自動でグラフ化・説明 |
音声UI設計 | Amazon Polly, VOICEVOX | 自然な発話トーンのUI試作に活用 |
このように、デザインプロセスの中の「繰り返し」「分類」「変換」「要約」など、限定された機能領域でAIを導入することで、全体の効率と創造性を両立させることができる。
関連して理解しておくべき用語
- 汎用AI(AGI):どんなタスクにも適応できる人工知能。人間の知能に近い。
- 強いAI/弱いAI:特化型AIは「弱いAI(Weak AI)」とも呼ばれ、特定の機能に限定されている。