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ピーク・エンドの法則 Peak End Rule

人間は経験したことに対して、感情のピーク(最高または最低)とその経験が終わった時のことで、経験の全体を判断するという考え方。認知バイアスの一種。

ピーク・エンドの法則 (Peak End Rule)とは

ピークエンドの法則の解説図

心理学者、行動経済学のダニエル・カーネマン(Daniel Kahneman)が発見した法則・心理状態。人間は経験したことに対して、感情のピーク(最高または最低)とその経験が終わった時のことで、経験の全体を判断するという考え方。

ダニエル・カーネマン氏(引用:ウィキペディア)

ダニエル・カーネマン氏のプレゼン

ダニエル・カーネマン氏のTEDのプレゼンテーションでは、病気の検査を行った際の経験を元に解説。

病院での検査体験の差

とある病気の大腸内視鏡検査を行った際に、以下のような2人の患者のデータがあった。(調査を行った90年代は痛みを伴う検査だった)

  1. 患者Aは、時間は短かったものの痛みのピークは強く、そのピークを迎えた直後に検査が終了
  2. 患者Bは、検査自体もトータルで痛みを感じる時間も長かったのだが、患者Aに比べてピークの痛みは少し弱く、かつ検査の終了に向かって痛みが和らいで終了

と言うもの。検査の時間で考えるとトータルとして患者Bの方が辛かったはずなのに、患者Aの方が辛い経験として残った。これは患者Aの方が感情のピークの経験が辛く、終わり方も悪かったためだ。

患者Aの経験を良くするためには、たとえ辛い時間が長引いたとしても終わりを良いものにする(痛みが和らいで終了する)だけで、経験全体の印象は大きく変わると言う。

ピークエンドの法則の活用事例

IKEAでのショッピング体験

イケアのピークエンドの法則の利用例

大きくて灰色の倉庫にある大量の商品から欲しいものを探すことは、顧客志向とはかけ離れている。しかし、IKEAにとってユーザー体験の中で重視している部分は、ユーザーが安い値段で商品を購入する「ピーク時」と、お買い得なホットドックかアイスクリームを食べながらショッピングを終える「終了時」である。

顧客がIKEAで体験したことを思い出すとき、覚えていることは「低コストの商品を選んだ喜び」と「一緒に出かけた家族とホットドッグを食べた楽しい思い出」となるため、全体的に良い体験だったという印象を持つ。「倉庫の中で欲しい商品のダンボールを探す苛立ち」は、体験のピーク時と終了時でないので、顧客が体験を振り返る時は忘れてしまう。

ピークエンドの法則のメリット

体験の中でピーク時と終了時が最高だと感じる瞬間がある場合、感情の動きが少ない体験をしたときよりも記憶に残りやすい。

そのため、ピーク時と終了時に良い印象の記憶に残りやすいユーザー体験を提供できていれば差別化に繋がり、顧客に全体的に良いプロダクト・サービスだと認識される。

また、たとえ一連の体験の中で顧客に悪い印象を持たれたとしても、ピーク時と終了時以外であれば体験全体としては悪印象をもたれない。

ピークエンドの法則をUX設計に活用する

体験全体の中での良い感情の高まりよりも悪い感情が強い場合は、悪い感情をピークとして認識し、体験全体の印象が悪くなる。

サービス改善の際は、悪い感情のピークの部分を特定し改善する、良い感情のピークを際立たせる改善をすることが全体の印象向上に繋がる。

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