色から読み取れる情報と、意味から読み取れる情報が一致しない場合に、人は直感的に情報を理解することができない。この理解するまでに時間がかかってしまう現象をストループ効果という。
例えば、「文字の色を答えてください」と言われ、青色で「青」と書かれていた場合、すぐに「あお」と答えられる。
同じように「文字の色を答えてください」と言われ、黄色で「緑」と書かれていた場合、文字の色である「黄色」と、文字の意味である「緑」という情報が一致しないため、答えるまでに時間がかかってしまう。
なお、「書かれている文字を答えてください」という、色ではなく文字を読ませる問題でも、色と意味が矛盾している場合は答えるまでに時間がかかる。この現象は「逆ストループ現象」と言う。
アメリカの心理学者のJohn Ridley Stroopが、1935年にこの現象を発表した。
ストループ効果が問題になるケース
日本ではトイレを表す時、「男性トイレ」は青色の人を使い、「女性トイレ」は赤色の人を使うことが一般的である。男性と女性の色を逆にすると、どちらが男性トイレでどちらが女性トイレなのか直感的に判断できなくなる。
赤色で男性のアイコンを利用した場合に、赤色から「女性トイレ」という情報を読み取り、男性のアイコンから「男性トイレ」という情報を読み取る。色とアイコンから読み取れる情報に矛盾が生じてしまい、理解するまでに時間がかかってしまう。
色に対する意味づけは、文化や習慣に基づくものが多い。海外では色弱者の配慮もあり、色が付いていないピクトグラムが多いため、トイレのアイコンの色を変えることで生じるストループ効果は日本固有と言える。
ストループ効果と似ている心理学用語
干渉効果(Interference Effect)
目にしたものから読み取れる情報が矛盾していると、直感的に理解できないことを表す。干渉効果とストループ効果の違いは、対象とする情報の種類である。干渉効果はあらゆる情報を対象とするのに対して、ストループ効果は色と意味が矛盾している場合に限り発生する事象である。
サイモン効果
ストループ効果と同じく情報の矛盾によって直感的に理解できなくなる現象。サイモン効果は情報の「位置」と「意味」の矛盾を扱う。情報の意味と位置が一致している時に比べて、一致していない時の反応速度が遅くなる。
関連用語
- 干渉効果
- サイモン効果