モーメント・オブ・トゥルース
The moment of truth

ユーザーがプロダクトやサービスに接触して、イメージを決定する瞬間のこと

The Moment of Truthモーメント・オブ・トゥルース(真実の瞬間= MoT)は、ユーザーが特定のブランドやプロダクト、サービスの質を判断・決定する瞬間を表すマーケティング用語で、マーケティング思考が時代に伴い進化しており、現在では提唱者が異なる4つのモーメント・オブ・トゥルースが存在する。

モーメント・オブ・トゥルースの原点

モーメント・オブ・トゥルースは、元々闘牛で使用されていた言葉で、「闘牛士が闘牛にとどめを刺す瞬間」という意味である。

スカンジナビア航空の元CEOのJan Carlzonヤン・カールソン氏が、1990年に発行した著書「真実の瞬間」で提唱されたことをきっかけにマーケティング用語として認知され始めた。

カールソン氏が提唱したモーメント・オブ・トゥルースは、「スカンジナビア航空会社のスタッフが顧客に対応する時間が平均して約15秒であり、その15秒間の体験が、顧客がサービスの質を判断・決定する」という経験から生まれた考えである。

提唱者:
スカンジナビア航空 元CEO
ヤン・カールソン

売り手中心から買い手中心のマーケティングへ

カールソン氏が提唱した90年代は、売り手優先の考え方がマーケティング戦略の主流であった。各種メディアでプロダクトの広告を流せばユーザーの認知度が向上して、売上が伸びるかというPUSH型マーケティングだったが、モーメント・オブ・トゥルースに則ったマーケティング戦略は、ユーザーの視点を持ち、ユーザー行動に着目する点で、新しいマーケティングの考え方として浸透するようになった。

米国P&Gの元CEO Alan G. Lafleyアラン・ラフリー氏は、2005年に2つのモーメント・オブ・トゥルースを提唱した。第1の瞬間(First Moment of Truth=FMoT)と第2の瞬間(Second Moment of Truth=SMoT)である。

ユーザーと売り手が接触する店頭販売は、市場のニーズを把握し、ブランドの付加価値を確認できるため、最も重要なプロモーションの機会だとラフリー氏は考えた。

提唱者:P&G 元CEO
アラン・ラフリー

2006年には、同じくP&Gの Pete Blackshawピート・ブラックショウ氏が第3の瞬間(Third Moment of Truth=TMoT)を提唱した。

一部のユーザーは、プロダクトを繰り返し利用しているうちに、プロダクトのファンになる。「このプロダクトは良い製品である」と周囲の人々へプロダクトを勧めるために、クチコミやレビューを発信するという考えだ。
第3の瞬間から始まる活動が、別のユーザーにとっての刺激的要因に変化するというものだ。

FMoTとSMoT  出典:Zero Moment of Truth (ZMOT) |Think With Google

オンラインのモーメント・オブ・トゥルース

2011年にはGoogleが、第0の瞬間(Zero Moment of Truth=ZMoT)を提唱した。インターネットの普及に伴うPCやスマートフォン、タブレット端末などの普及によって、ユーザーの購買行動は変化した。店頭でプロダクトを見る前に、インターネットでクチコミなどのプロダクトに関する情報を閲覧するようになったため、ユーザーがプロダクトに接する最初の機会はオンラインになった。

blank

ZMoT(Zero Moment of Truth) 出典: Zero Moment of Truth (ZMOT) |Think With Google

4つのモーメント・オブ・トゥルースのまとめ

第0の瞬間(Zero Moment of Truth = ZMoT)

ユーザーレビューを閲覧するなど、プロダクトに関する情報を購入前にオンラインで集めて、購入の意思決定をする瞬間。

Googleが実施した調査によると、米国における消費者のうち88%がプロダクトを購入する前に、クチコミやプロダクトの情報をインターネットで検索し、他社製品と比較検討している。

第1の瞬間(First Moment of Truth = FMoT)

ユーザーが最初にプロダクトを目にした際に、購入するか否かを判断する瞬間。ユーザーがプロダクトを目にしてから3〜7秒以内にFMoTが発生する。

第2の瞬間(Second Moment of Truth = SMoT)

ユーザーがプロダクトを購入後、実際に使用してプロダクトの品質を判断する瞬間。好評、悪評のどちらでもレビューやクチコミが他のユーザーのZMoTになる。

第3の瞬間(Third Moment of Truth = TMOT)

ユーザーがプロダクトを使用した後に愛着を持ち、クチコミやSNSを通して、周囲へプロモーションする瞬間。

参考文献

blank

大本 あかね

UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント

著書
ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザイン
Google Search Consoleの教科書

毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。
UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう!

スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。