’特別な適応や改変を必要としないこと’が前提であり、誰にとっても「自然に」アクセス可能なデザインである点が特徴である。
デザイン上における利用方法
- 建築、公共交通、製品設計、UIデザインなど広範な分野に適用される。
- 障がい者や高齢者などへの配慮を「例外対応」ではなく、標準設計に統合することが基本方針である。
- 特定ユーザーに優しいのではなく、「万人に対して公平」であることが設計基準となる。
具体的な事例
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押しボタン式の自動ドア
車椅子使用者、手荷物の多い人、子ども、高齢者など、あらゆる人が使いやすい入口設計。 -
色と形の両方で情報を伝えるサイン
色覚特性に関係なく情報を伝える工夫。例:非常口のピクトグラムと緑色の併用。 -
エレベーターの点字+音声案内
視覚や聴覚に異なるニーズがある人にも対応した情報伝達設計。
提唱者

引用:https://www.re-thinkingthefuture.com/know-your-architects/a8096-ronald-mace-ideology-and-philosophy/
ユニバーサルデザインの提唱者はロナルド・メイス(Ronald L. Mace)である。
アメリカの建築家であり、自身がポリオの後遺症で車椅子生活を送っていたことから、「障がい者のため」ではなく、「最初から全ての人にとっての設計」の必要性を訴えた。
彼は1980年代に「7原則のユニバーサルデザイン(Seven Principles of Universal Design)」を定義し、世界中の設計思想に大きな影響を与えた。
ユニバーサルデザイン7原則(Ron Maceとそのチームが定義)
- 公平な利用
- 利用における柔軟性
- 簡単で直感的な使用
- 情報のわかりやすさ
- 失敗に対する寛容さ
- 少ない身体的努力
- 接近と利用のための適切なサイズと空間
原則の目的は、環境、製品・プロダクト、そしてコミュニケーションのデザインをガイドすることである。
NCSU(ノースカロライナ州立大学)ユニバーサルデザインセンターによれば、「この原則は、既存のデザインを評価し、デザインプロセスを導き、設計者と消費者の双方に対して、より使いやすい製品や環境の特性について教育するために活用できる」とされている。
関連用語