TOP お知らせ UX読書会 「悲観的な性格」は思い込み?仕事がうまくいく人の“思考習慣”とは

「悲観的な性格」は思い込み?仕事がうまくいく人の“思考習慣”とは

5月に開催した読書会のレポートです

スタッフの かじしまさちこ です。

突然ですが、「自分って、悲観的な性格なんだよな…」

 そんなふうに感じたことはありませんか?

私もずっとそう思ってきました。でも最近、それは“性格”ではなく、仕事柄身につけた思考グセかもしれないと気づいたのです。

先日、『オプティミストはなぜ成功するか』の読書会に参加しました。

 エンジニアとして「最悪のケースを想定する訓練」を積んできた私にとって、これは目からウロコの時間でした。

今日はその学びを、自分自身の気づきとともにまとめてみたいと思います。

「どうせうまくいかない」は訓練の結果だった?

著書では、「思考のクセ」がメンタルと仕事の成果に直結するとされています。中でも印象的だったのは、以下の2つのキーワードです。

学習性無力感

困難な状況を繰り返し経験すると、「どうせ何をしても無駄だ」と思い込むようになる心理状態のことです。

 これはうつ病にもつながり、挑戦しなくなることで、成果を上げることができなくなってしまいます。

説明スタイル

起きた出来事を自分にどう説明するか、という思考パターンのことです。

楽観的な人は、「失敗は一時的」「自分だけのせいじゃない」と柔軟に捉えるため、立ち直りが早いのです。

つまり、“悲観的な性格”ではなく、思考の慣れ方によって行動が変わってしまうということ。

これを聞いて、私自身も心当たりがありました。

 不具合やバグが発生するたびに、「また私のせいか。。」「どうせダメなんでしょ」と無意識に思っていたのです。

img-6
オプティミストとペシミスト

楽観思考はただのポジティブではない

楽観主義と聞くと、「根拠のない前向きさ」「現実を直視しない態度」と思われがちです。

しかし、実際には、

  • 現実を受け止めながらも、「なんとかできる」と信じる力
  • ミスや困難に直面しても、行動を止めない回復力

これこそが、ビジネスパーソンにとっての“強さ”だと感じました。

以前は、一流アスリートが「絶対に勝てると思っていた」と言うのを聞いて、ただのリップサービスだろうと思っていましたが、思考のトレーニングの賜物なのだと理解できます。

無力感は“学習”されるものだった

本の中では、著者の研究室で行われたある実験が紹介されていました。

研究室にいる犬たちを以下の3つのグループに分けました。

  • グループ1:ショックを受けるが、レバーを押せば回避できる
  • グループ2:レバーを押してもショックを回避できない
  • グループ3:ショックを受けない
障害物を超えるとショックのない区画に移動できるが。。。
障害物を超えるとショックのない区画に移動できるが
無力感を学習してしまうと。。。
無力感を学習してしまうと何もしなくなってしまう

結果として、グループ2の犬は「何をしても無駄だ」と学び、何の行動も取らなくなりました。しかし、その犬に「飛び越えれば回避できるよ」と繰り返し教えることで、最終的には自分の力でショックを避けるようになりました。

書籍を読んで、私自身も「またうまくいかないかも」と思いがちなことに気づきました。しかし、小さな成功を積み重ねることで、無力感は克服できるのではと希望を持てました。

思考のクセを変える「ABCDE法」

楽観的な説明スタイルを身につけるには、日常の中で思考を変える訓練が必要です。本では、「ABCDE法」が紹介されていました。

項目内容
A(Adversity)困難な状況が起きたとき
B(Belief)そのとき自分がどう思ったか
C(Consequence)その思考がもたらした行動や感情
D(Disputation)その思考に「本当にそう?」と反論する
E(Energization)思考を修正したあと、気持ちがどう変わったか

私自身、仕事でミスやバグに直面したとき、「自分のせいだ…」と反射的に思ってしまうことがあります。

でも、すぐに「まずは状況を正確に把握しよう」と切り替えられることもあります。これは“E”の実践だったと気づきました。

一方、“D”の反論は、まだうまくできていません。これからは、悲観的な思いが浮かんだ時に、「本当にそう?」と、自分に問い返す習慣を取り入れていきたいです。

悲観主義も、実は必要だった

もちろん、悲観主義にも価値があります。

 たとえば航空機の操縦や、投資判断のような分野では、「最悪の事態」を考える慎重さが命を救います。

読書会に参加された方が「悲観主義は人間に備わった防衛本能」と言っていたのがとても印象的でした。

 大切なのは、悲観・楽観のどちらか一方に偏らないこと。

  • 悲観思考 → リスクを見抜くための“防衛ツール”
  • 楽観思考 → 行動力を生む“エンジン”

どちらも必要で、使い分ける力こそが、仕事を前に進める鍵だと感じました。

「悲観主義=自分」じゃなくてもいい

私は長年、自分を悲観主義者だと思い込んでいましたが、読書会中に大本さんから「悲観主義というアイデンティティを作ろうとしているのでは?」と指摘されてハッとしました。

エンジニアとして不可欠なリスク管理のために必要な“思考の型”を、自分のアイデンティティだと勘違いしていたと気づきました。

悲観主義を捨てるのではなく、

 それを「使いこなす道具」として持っておく。

 そしてベースの自分は、柔軟に切り替えられる思考を育てていく。

これが今の私の理想のスタンスです。

最後に:未来の自分は、「今の思考習慣」でつくられる

この読書会で私が得た最大の学びは、

思考のクセは、変えられる。

ということでした。

これからは、悲観的な感情が出てきたときにこそ、一呼吸おいて反論してみる。

「それ、本当にそう?」
と自分に問い直す。

そんな小さな習慣が、未来の自分の行動や成果を変えていくのだと思います。

img-9

フリーランスのエンジニア。 2001年東京都立大学(現首都大学東京)経済学部卒業。独立系ソフトハウス(システム開発)、株式会社シンプレクス(金融機関向け取引システムの開発・運用)を経て2011年よりフリーランス。フリーランスになってからは、スマホアプリ、サーバーサイド(Java,Railsなど)と様々なプロジェクトで開発に携わる。現在は会社員時代にお世話になった企業様でRPAプロジェクトで開発を担当している。 ダイエットのためにランニングとヨガを5年ほど続けているが、どちらもガチになる一方で全く痩せないことが最近の悩み。

まずは言葉を覚えよう

「UX用語」のカテゴリー

UXを取り入れるためのマインドセット

「UX格言」の新着

UX格言 一覧

現場の声をリアルで届ける

動画で学ぶUX 「You X Tubo(ゆーえっくすつぼ)」の新着

You X Tubo(ゆーえっくすつぼ) 一覧