UXを現場で使うということ

UX DAYS TOKYOのスタッフ内では、1on1ミーティングを定期的にやっています。目的は、その人の成長を知る、何を考えているかを理解するためです。

私は、常に「UX DAYS TOKYOで何を学んでいますか?」「現場で使えていますか?」という質問をしています。

スタッフからこんな意見がでてきました。

「なかなか現場で使えるチャンスがない」
「学んだことが活かせていない」
「使えていても30%くらいで、まだキチンとできてない」

正直で良いのです。しかし、このマインドから抜け出せないと、いつまで経っても現場で100%使うことはできません。マインドチェンジが必要です。

UXは漠然としているからわかりにくい?

「UXは漠然としている言葉なので、学んでも現場で使っている感覚がない」という人もいます。しかし、この考え方から間違っていると考えています。

UXは、使い手の体験でしかなく、そのユーザー体験をどのように良いものすべきかの「視点と思考」を持っているか否かだけです。それ以外、何もありません。

どのように「視点と思考」を磨くをスタッフ内で解説していますが、どうしても手法やUXデザインという名前が付いた仕事の実績でないとUXデザインをしている気になれないようなので記事にしてみました。

UXデザインは「人」が居る限りどの分野でも存在する

私からすると、開発でも、サービス業でも、デザインでも、人を相手にすれば、それはUXデザインが必要と確信を持っています。なぜなら、UXデザインは、人(ユーザー)を見て設計するものだからです。

スタッフの中にバナー作成が主な仕事のデザイナーがいます。「オペレーターのような仕事なのです。」と彼女は言いますが、私は、オペレーターだとしても、ユーザーのことを知るためにできることはあると思います。

この状況下で表示され、クリックされるということは、ユーザーは興味があるということなので、キャッチコピーはOK。とか、画像が目を引くものだ。とか、リンク先で直帰が多いから、バナーとコンテンツとの関係性を上手に伝えられていないから変更するべきかな?とか。データーを元にでも仮説を立てることができます。
そんなこと、UXデザインじゃない。って言う人がいたら、それは手法に囚われている証拠です。

UXデザインは人(ユーザー)を知ることから始まる

フリーのWebデザイナーを主な仕事としているスタッフも、「私はフリーで仕事をしていて、UIを作ることができても、UXデザインの経験をしていないので、Googleなどで募集しているUXデザイナーに募集できるようなスキルがないので、エントリーも自信もないです。」と言います。

Googleのエントリーから見る必要な人材

GoogleのUXデザインマネージャー募集ページの内容

GoogleでUXデザイナーの募集内容を詳しくみていくと、経験でしかありません。何を持ってUXなのか?それは自分の考え方次第で変わってくるので、心の持ちようではエントリーさえできるのです。You X Tubo『UXを現場で使えているか』でも解説していますのでぜひ見てください。

UXは提案することから始まる

スタッフを長く続けて学んでいても、UXの仕事として実務をやった経験や認識がないと自信が持てないのだと感じました。しかし、手法はすでに知っているわけで、それを使わないのは、”「この案件のユーザーを知るのにどうしたら良いのか?」と、考えていないのでは?”とも思うようになりました。

UXの仕事はお膳建てされているものだけではありません。捉え方次第です。たとえ限られた時間しかなくても、ユーザーを知ろうと思うことから、はじまります。ユーザーを知ろるために、何をすべきかを考えれば、提案もできるようになるはずです。

UXが視点と思考が大切という例

UXは「視点と思考」次第と解説していますが、宿泊施設の案件を例に、その大切さをご紹介します。

この案件で、私はユーザーを知るためのリサーチにホテルに宿泊しました。そこの宿泊施設は無料バスで多くの人を送迎しています。私は車でしたが、バスの方々は、チェックアウトして次のバスの時間までロビーで待っていました。

このような状況を考えると、チェックアウト時間をバスに合わせることができればお客様の体験も良くなると感じました。バスの時刻表は、チェックアウトの後に見える場所に貼っていましたが、チェックアウト時間前に知っていれば、タイミング良くチェックアウトすることができるはずです。「次のバスが出るまでに1時間かかるじゃん。」ってことになれば、良い体験とは言えません。

客の動きやユーザー視点がなければ、それらを問題視せずに素通りしまう出来事でしょう。これをUIにどのように組み込むの?と思うかもしれませんが、やり方はいくらでもあります。

リサーチで得られたものは他にもたくさんあり、一端でしかありませんが、このような視点を持つことからUXがはじまります。大切になります。

完璧じゃなくても、できることを100%にやる

これもUX DAYS TOKYOのスタッフ間で行われたミーティングの話ですが、「どれだけUXデザインを利用しているのか?」という問いに、「私は実務が少ないから30%しか活かし切れていません。」と言うスタッフがいました。自分はまだまだ学ぶことは多いという意味で使われたようですが、このマインドセットを変えなければ成長はないと確信しています。

70%は使えてないというのは、正しい努力ができていない。もしくは、完璧な正解があると考えていると推測できます。このようなマインドの方は本当に多く、UXという仕事が用意されていて、それをこなせばUXができている、やっていると感じているようです。

UXは奥が深く、完璧な答えはない世界ですが、ユーザー視点で、プロとしての解決策を導きだせれば、ビジネスを成功させることはできます。それは手法でもありませんし、与えられる仕事でもありません。

生まれながらに凄い人、いきなり完璧な人になるなど、世の中にはいません。誰もが赤ちゃん、ゼロから始まっています。完璧を追求するな。とは言いませんが、完璧を追求する前にやれることはあります。頭だけがでっかくなり、枝葉末節に目が行ってはどこにたどり着くかわからなくなります。優秀な人ほど、できることを100%でやっています。

自分はどこまで”ユーザーのことを知ろう”としたのか?

自分はどこまでユーザーのことを知ろうとしたのか?
自分でできる精一杯のことをやっていれば、最初の「どれだけUXデザインを利用しているのか?」の問いの解答が変わるのではないでしょうか。

やる気・変えるスイッチは自分でしか押せない

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マインドセットを変えないといつまでも成長することはありません。マインドセットを変えるには自分じゃないとできません。やる気・成長のスイッチの場所は教えられても、スイッチを押すのは自分自身なのです。変えられるのは自分しかいません。

このようなマインドの方はきっと多く存在していて、他人事ではないはずです。みなさんも、振り返ってみてください。自分の仕事で何がUXデザインとしてできるのか?を。

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大本 あかね

UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。