UX DAYS TOKYOの公式YouTubeチャンネル「You x Tubo(ゆーえっくす・つぼ )」では、UXに関するディスカッションやワークショップを配信しています。
先日、スタッフ内で「デザイナーとしてUIのデザインからプロジェクトに参加した場合、サービス設計や要件と言ったUXの部分に関わることができない」と言う話が挙がりました。
デザイナーはUXを実践することは難しいのでしょうか?デザイナーがプロジェクトチームにUXの価値を伝えていくにはどうしたら良いか、スタッフでディスカッションをしました。
UIデザイナーはUXができない?
UIデザイナーがUXに関わることができない理由には以下のようなものが上がりました。
- ディレクターが実装要件を決めてきている
- 直接ユーザーと会話できるわけではないし…
- ユーザーやユースケースに詳しいわけじゃないから、口出しできない
タイミング的に要件がもう決まっていたり、ユーザー情報の少ないからという理由で難しいと感じることもあるようです。
結果として、UXを企業内で浸透できないと言う話題になりました。
そもそも「UXを浸透させる」定義が曖昧
UXを実践する、UXを浸透させるとは具体的にどういった状態でしょうか。
「UXが浸透している」定義の認識が組織やチームで揃っていないと難しいかどうかを判断できません。
浸透している企業の定義?
・「工数がないから使い勝手は目を瞑ろう…」は許さないチーム認識
・ サイロ型の組織ではなく、ユーザーに意識が向いている組織
・「ユーザーのため=事業成長のため」というマインドを持つ組織
スタッフ内でもいくつかイメージはあるものの、曖昧になってしまいました。
組織の目的は定義されているか
ディスカッションして感じたことは、「UXを浸透させる」という視点が自分視点の範囲に留まっているのではないかということでした。組織が心から理解し行動するには、組織の目的とつながっている必要があります。
組織の目的は何でしょうか?ゴールはどこにあって具体的に測れるKPIやKGIが設定されているのでしょうか?もしかすると、UXより前に組織の目的の認識を揃えるところから始める必要があるのかもしれません。
「具体的にする」ことで組織に浸透する
組織の目的・ゴールが具体的で測れるものであれば、ゴール達成に必要な要素も具体的になるはずです。必要な要素に対してUXがどれだけ効果があるのか示すことができれば、UXの必要性に納得して行動する組織になります。
UIデザイナーはUXの必要性を具体的に議論できる
UIを作るために、デザイナーは、コンテキストも踏まえて、ユーザーの行動を具体的に知る必要があります。ユーザー行動の中で、わからないことや迷うことがあれば組織に具体的に聞いてみましょう。もし、組織全体が「わからない」となれば、ユーザーを知る必要性に納得できるかもしれません。
ディスカッションをしてみて、UIデザイナーが最初からユーザー情報を知っている必要はなく、組織全体がユーザー情報の必要性に納得することが重要であることに気付けました。
ディスカッション動画では、UIデザイナーがUXに関わる上での障害や、BtoCとBtoBでアプローチが変わるのかについて議論しています。UXを実践していくための方法の糸口となると思いますので是非ご覧ください!