コンテキストをデザインに落とし込む7つの切り口
リサーチをすれば、コンテキストも含め、それ以外の洞察を得ることができます。プロダクト戦略を練る時、サポートするデバイスを選ぶ時、コミュニケーションの手段を企画する時など、リサーチがいかに大切かが分かります。 リサーチから見つけた様々なコンテキスト上の情報や発見は、どのようにデザインに繋げば良いのでしょうか。
例えば、コンテキストを単純に分類しても、それはあくまで近似値にしかなり得ません。なぜなら、その分類結果は、コンテキストが溶け込んでわかりにくくなってしまっているから可能性が高いからです。
私は、コンテキストを7つの「切り口」で分類しました。これを使えば、コンテキストの重要性を理解することができるでしょう。
本記事では7つの切り口のうち3つ目の「時間」について取り扱います。
切り口-3: 時間
デバイスが使われる時間帯は、ユーザーのいる環境、場所、行動に依存していることが多いです。統計データにも、デバイスごとに使用されるパターンが異なっていることが表れています。
タブレットは仕事などが終わって娯楽の時間が持てる夜に使用することが多く、デスクトップコンピュータはオフィスでの勤務時間中に多くなっています。一方、スマートフォンは休憩時間中(通勤時間、など)の他、勤務時間中にも、特に会社から管理されている範囲から外れた時に、個人的に使うといったケースが多いことが分かります。
現在時刻を表示するのは簡単ですが、1990年代以降、JavaScriptを使った無闇な時計表示はWebサイトを見にくくしてきました。しかし、時間データはアプリケーションの機能を向上させるために使われれば、パワフルに機能します。
ニュースサービスなら最新のコンテンツを表示させることができますし、時刻表アプリなら次の電車の情報を表示することができます。ホテルのWebサイトなら、当日宿泊可能な空室を割引して宣伝することもできます。
公開されているサービスやアプリケーションの中には、「夜間モード」で動作するものもあります。夜になったことを検知するためにユーザーの現在地や日没のデータを使い、それに応じて暗いスタイルシートを適用するというものです。また、実用的なものではないにしても、かわいらしいイメージなどを表示することも可能です。
ユーザーがプロダクトを利用している時間をよく知っておくと役に立ちます。データによれば、モバイルユーザーはスマホをこまめにいじり、一度に長い時間使うわけではないようです。
大量のデータを扱うアプリは、タスクをより小さなサブタスクに分けることと、全てではなく2、3の結果を示すことにより、この動作に必要なものを提供することができます。(この「再現率・適合率」のトレードオフ関係は、ライブラリサイエンスと情報アーキテクチャでは昔から存在する問題)
ファイル操作や詳細検索といった複雑な処理には、ユーザーに長い間待たせるものもあります。それが必要なものならば、タスクが複雑なものに対しては、完了までの残り時間か、あるいは進行状況のステータス(例えば「12個中3個目のステップを実施中」など)を追加するといいでしょう。
時間コンテキストを理解するポイント
- 1日のうち、私たちのアプリが使われる最も良いの時間というのは存在するのでしょうか
- そのとき他に何が起こっているのでしょうか
- ユーザーは私たちのサイトにどのくらい滞在するのでしょうか
- どのくらいの頻度で使うのでしょうか
- いかにしてユーザーの使用パターンに合わせることができるのでしょうか
切り口-4: 行動に続きます。
本記事は、2013年に記載されたケニー・ボールズによるコンテキストの紹介記事を翻訳したものです。
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