UXを浸透させるには組織全体の理解が必要

UXの組織化は”何を共通認識としておくべきか”が重要

UXDT2017 は、「組織」をテーマに開催いたしました。直接的に組織をどのように構成すれば良い。などの話しはなかったので、テーマが組織?というお声もいただきました。

直接的な組織構成についての重要度などの話しではなく、”UXの何を共通認識として持つべきか?”に重点をおいてご紹介させていただきました。もちろん、UXデザイナーの肩書の方が取締役、責任者などのチーフの権利を持つ、CXOの必要性などの組織構成も重要ですが、それは日本でも他のイベントで既に行われていて、それらは前提としてという考えでのテーマとさせていただきました。(予めサイトにももっとわかりやすく記載しておけば良かったのかと反省しております。)

より現場で、UXを浸透させ、活用するには共通のマインドセットが重要です。そう言った共通しておくべき内容をマインドセットとしてUXDT2017は開催いたしました。

(以下、リンク先は現在リライト中です。レポートとして8月末までに公開予定なのでお待ちください。)

1)エリカさんのセッションでは、UXでの重要なデーターは何かを紹介してくれました。ビックデーターなどのわかりやすい定量データーと定性データーをどのように考えるべきかです。

2)ケニーさんのAIの倫理についても同様に、企業の取締役をはじめAIをサービスやシステムに入れる際の心構えは企業や組織として認識しておくべき内容だったと感じています。

3)メリッサさんのMVPのセッションは言わなくても組織開発で重要なお話しになります。

4)ステファンさんのフリクションのセッションは、よくあるBud UXが結果的に良いUXになる。などの勘違いを正す内容でした。これも同じ認識を持つ意味で重要です。

5)ギルズ(ジャイル)さんのVUIのセッションは、組織的ではなかったですが、UXを取り入れようと思っている企業の社員であれば、UXデザイナーではくても参考になった新しい情報で、海外情報を生で聴ける不醍醐味としても良かったのではないかと考えています。

日本にUXはどこまで浸透しているのか?

先日行われたUX LONDONの報告イベントでは、「UXDT2017の振り返りから日本でのUXの浸透について」考えていただく時間を作成しました。

それは、セミナーやイベントを上手に利用して、現場に浸透させている企業(人)と、そうでない企業(人)がある(いる)からです。折角のカンファレンスやワークショップの内容をもっと現場で利用してほしいとの思いと、実際にはどうなんだ?という疑問が発生したからです。(実際、ワークショップは満席でも、レポートに参加された方の中でUXDT2017に参加された人は数名しかいなかったのでそれらの直接的な声ではなかったのですが、UXを活かしきれている企業は少ない印象でした。)

また、ロンドンで日本の企業と仕事をしている方や、日本で働いた経験がある方からは、日本は全体的にソフト、デザインの領域が弱いと言われました。良くよく考えるとハードは素晴らしいのにソフトは駄目なことに気が付きます。決して日本の全ての企業や人ができない訳ではないですが、これらの言葉を真摯に受取り、気づき、弱点を克服する必要があると感じました。

なぜ、日本はソフトが弱いのか?

日本のソフトウェアやデザインがなぜ弱いのか? それは、いろいろな要因があると思いますが、要因の1つとして、代理店や担当者がデジタルマーケテイング並びに技術、デザインについての知識が乏しいことが言えます。そのため、何か話題になっているものに何でも飛びついてしまう傾向があるようです。

他社がやったことや成功事例を真似るのも、そもそものコンセプトや戦略を立てることができないからです。

特に、デジタルマーケテイングにおいては、広告やSEO、アクセス解析などのマーケテイング領域に関わるものは数字なので、誰でもわかるため予算が付きやすい傾向にあります。

UXを行うには時間や工数、(知識のある方)専門家が必要になりますが、デザインの(ROI)効果を見い出すことができない企業は、その時間を無駄だと考えてしまいます。つまり、UXに予算を割り当てることができていない企業や、(価格勝負している)請け負ってしまっている受託企業は上記の様になり(考え)がちです。

その一方、先述のように、”何かUXとか流行っているよね?、いい感じらしいよ。”ということで、”UXを取り入れてやってみたい。”と思ってしまうようです。UXがそもそも何か知らないのにです。当然、判断力ないため、なんとなくブログなどで話題になっている企業が有名そうだからお願いしてみよう。という事が発生してます。

有名人であればプロだから、凄いものを作ってくれるに違いない。そんな夢に多額の費用を投入してしまうのです。

私は、有名デザイナーとして名高い佐藤可士和さんの全てのお仕事を知らないですが、セブンイレブンのコーヒーマシンのデザインは決して素晴らしいものではありません。しかし、それを賞賛しているメディアの記事と、ユーザーの声の差は確実に違っています。

引用:https://matome.naver.jp/odai/2140475782029730001

実際にコンビニで間違って利用してしまった際に、レジのスタッフの方が「わかりにくくてすみません。」と、ミスしたものをすぐに取り替えてくれるのです。

”なんだ?この損失は!”とすぐに思いました。デザインから生まれている損失を当たり前にして取り替えてくれるのです。本当にこれで良いのでしょうか?

UXを組織全体で回すのは夢?

UXやUIのデザイン企業の取締役が「UXを組織に入れる云々は夢でしかない。今更なんだ。」的な内容のつぶやきを見たことがあります。

私はUXを企業全体(全員)で行う必要はないと思いますが、UXは企業全体で理解をしておくべき内容だと確信しています。逆にシステムエンジニア、デザイナー、マーケター、取締役などがUXを理解しなければ推し進めることなどできないので、下手にUXを取り入れない方がいいのだと思います。

ただ、もう1つだけ言えることは、今も昔もユーザーが主役なのです。そして、コンテンツを作る上でもシステムを作る上でも、UI、デザインをする上でもユーザー(UX)のことを考えずには開発しても良いものは生まれないということです。判断力もない人がいなくなるためにもUXを組織で取り組む必要があると確信しています。

また、UXを推し進めている企業がUXは組織で取り組む必要がない。無理だと思っているのであればそれは、UXを推し進めるデザイン会社、コンサルタントとして間違っていると考えています。判断力がない担当者よりもタチが悪いと感じています。

UXは視点が重要、そのための基礎を身に着けよ

最近、オウンドメディア含め、いろいろな多くの記事が公開されています。個人的なブログでもそれを信じてしまうユーザーもいますが、大手企業のメディアであればより信じやすいでしょう。しかし、日本のWeb(IT系)メディアは以前から流行りが大好きで本質を記載していない傾向があります。記事自体はそれぽく記載しているので騙されてしまうのです。実のところいろいろなトレンドや流行にだけにさせているのは、このようなメディアが原因ではないかと考えています。

UXはトレンドでも、流行りでもありません。

UXが一番難しいのは”視点”です。その視点は基礎的な内容を理解しなければ、流行りに惑わされてしまうのです。基礎というと、即戦力ではないと思われてしまう方もいるようですが、基礎を整えることで見えてくることがあります。それはすぐに現場で役立ちます。今後、UX TIMESでは基礎力が付くようなコンテンツを出していこうと思っています。

 

 

 

 

 

この記事を書いた人:大本 あかね

UX DAYS TOKYO を運営してる Web Directions East.LLCの大本です。
カンファレンス運営していますが、毎年行われているUXDTは私自身も学びの場になっています。また、海外のUXカンファレンスにもいくつかいくようになりました。学んだ知識を実践し、勉強会やブログなどでフィードバックしています。UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう。