図解は解釈からはじまる

上部は筆者が最初に描いた図解、下部はnayumiさんが解釈して描いた図解

解釈して描かなければ相手に伝わらない

UXのバイブル本のひとつである「インターフェースデザインの心理学」が意外と知られていないので、中身をご紹介するプロジェクトをUXDTで立ち上げ作っていくことになりました。

その中からテーマ「『内的報酬』のほうが『外的報酬』よりもヤル気がでる」という項目を図解化しました。上は私が描いたもので、下が同じスタッフのnayumiさんが描いたものです。下の図のほうがひと目でわかりやすいと感じませんか?

私は絵が上手いとは言えません。そして、図解の上手さは精密な絵を描ける能力に比例していると考えて半ば諦めていました。しかし、上手な図解は、単純に文章をイラスト・図解化するのではなく、内容を解釈して伝えたい内容を表現することでした。図解化するにあたり、今も練習をしています。スタッフ内でフィードバックをもらってとても勉強になったので、みなさまの参考になればと思い記事にしてみました。

文章をそのまま絵にすればいいと思っていた私

私は、図解の練習を始めた時に「文章をイラストに変換すればいい」と考えていました。そのため、上記の図にあるように、3コマで本の内容を絵に描いただけのものになっていました。

その結果、私が描いた上部のイラストは口頭での説明が必要な図になっていました。下部のイラストはひと目で内容が伝わります。図解化のポイントを以下に解説していきます。

私は書籍内容を忠実に表現すれば良いと、書籍に記載されていた内容をそのまま絵にしました。漫画も読んでいくと理解できるので、そのイメージでいました。

「インターフェースデザインの心理学」の「『内的報酬』のほうが『外的報酬』よりもヤル気がでる」の項目には、Lepper, Mark Rマーク・レッパーGreene, Davidデビッド・グリーンNisbett, Richard Eリチャード・ニスベットによる実験が紹介されていました。

書籍に書かれていた実験内容の要点

テーマの解説で、実験内容が書籍に記載されていました。実験は、3つのグループに分けて実施され、以下のような結果が紹介されていました。

  1. (褒めるための)賞(報酬)の存在を先に伝え、その賞を貰うために絵を描くよう依頼された子供たち
  2. 賞のことをは伝えずに絵を描かせ、絵を描いた後に期待していなかった賞を与えた子供たち
  3. 絵を描かせ、賞も与えなかった子供たち

子どもたちに絵を描かせてから2週間後、特に何も指示せず、教室に絵の具を置いた場合にどうなるのかの実験です。

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実験の本番を図にしたもの
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お金や肩書などの外的報酬よりも、成長ややりがいなどの内的報酬の方がやる気につながる

絵を見ていたければおわかりいただけると思いますが、実験内容をそのまま表現しています。しかし、絵だけをみたら、何のことかはわかりません。

わかりやすい図解にするためのアドバイス

私が描いた3枚の図から、以下のアドバイスをもらいました。

  • 3つのグループの登場人物に差がないので状況がわかりにくい
  • 内的報酬は褒められることなので一人ひとりが褒められたという内容が重要であるがそれが伝わらない
  • ただ文章がイラストになっているだけなので伝わりにくい
  • 図解ではなく文章で表現してしまっている部分がある
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この図だけみても実験の様子が伝わらない
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文章をそのままイラストにしてしまっているので説明しないと意味がわからない
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図ではなく文章で表現してしまっている

理解して、どのように表現するか?それが図解の基本

今回、文章をそのまま絵にしてしまった私ですが、図解はまず、理解することから始まることを知りました。図のうまさは絵のうまさであると思っていたので、解釈が大切だということが一番の習得でした。

文章で何を言っているのかを理解して、それをどのように表現するのか?が土台であることを学びましたが、まだまだハードルが高そうです。

理解して、自分の言葉で伝えることをテキスト化させることも覚えたので、まずは、そこから行っていこうと思っています。

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Mai Kosoba

北海道出身、大阪在住のデザイナーです。よく東京の勉強会にも参加しています。 UXについてまだまだ勉強中ですが、学んだことをシェアしたり関西圏での勉強会を開催していきたいと考えています。 読書・着物・旅行・美術鑑賞・ゲームが好きです。