事業やサービス開発・投資に使ったコストのうち、資金・労力・時間などの回収できないもの。
埋没コスト・サンクコストとも呼ぶ。
埋没費用はコストを払った後に発生するもので、コストを払っていない場合は埋没費用とみなさない。例えば、チケットの予約だけして、料金を払う前にキャンセルをした場合は埋没費用には当てはまらない。
費やしたコストが大きいほど囚われやすい
意思決定のための会議時間や営業をかけた時間など、埋没費用に囚われるべきではないと言われている。
しかし、費やした時間や金額が大きいほど、回収できないにも関わらず元をとろうとする心理が働き、合理的な判断ができない傾向がある。これを埋没費用効果 (sunk cost effect)もしくはコンコルド効果と言う。
埋没費用で陥る例
多額を投資した事業への判断力の低下
新規事業を5000万円かけて立ち上げたが、開発途中でうまくいかなくなった。開発には時間も費用もかかっているため軌道に乗るまではこのまま開発を続けるべきだと判断してしまう。
開発を止めれば、発生する損失は5000万円で済むが、「5000万円もかけているのだから続けるべきなのでは」と、すでに支払った埋没費用にとらわれ、更なる損失を招いてしまう。
興味を持てない本を読み続けてしまう心理
本を2,000円で購入したが、内容が思っていたものと違い興味を持てない。しかし、買ったばかりでお金も勿体ないので最後まで読むことを決める。
本を読んでも読まなくても2,000円は返ってこない。興味がない本のために数時間を使ってしまうよりも、2,000円を埋没費用と考えて本を読む予定だった時間を他のことにあてた方がより合理的である。同様のことは映画でも言える。