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データサイエンス data-science

構造化・非構造化データから有用な知見や意思決定を導き出すための科学的方法、統計的手法、アルゴリズム、そして専門的なプログラミング技術を統合した学際的領域

統計学、機械学習、データ可視化、情報工学などの知識を組み合わせることにより、過去・現在・未来の動向を分析・予測することを目的とする。

提唱者について

ジョン・W・トゥーキー

ジョン・W・トゥーキー 引用:https://www.linkedin.com/pulse/meet-pioneer-data-science-unveiling-legacy-john-w-tukey-devsort/

「データサイエンス(Data Science)」という言葉を最初に使用したのは、ジョン・W・トゥーキー(John W. Tukey)とされる。
彼は1977年に出版した『Exploratory Data Analysis』の中で、データに対して探索的・帰納的なアプローチを提唱した。

ただし、現在のデータサイエンスの体系的枠組みは、2001年にウィリアム・S. クレヴァー(William S. Cleveland)が「データサイエンスを統計学の拡張分野として確立すべきである」と提案したことで、より明確になった。

デザインにおける利用方法

データサイエンスは、UXデザインやプロダクトデザインにおいて以下のような場面で重要な役割を果たす。

【1】ユーザー行動の可視化とパターン分析

定量データ(クリック数、離脱率、滞在時間など)をもとに、ユーザーがどこでつまずいているのか、どのコンテンツに関心があるかを把握し、UIや情報設計の改善に活かすことができる。

【2】パーソナライズされた体験設計

ユーザーの過去の行動や属性をもとに、レコメンデーション(例:Netflix、Amazon)や動的なUI最適化を行うことで、ユーザーごとに価値の高い体験を提供可能となる。

【3】仮説検証と意思決定支援

A/Bテストの設計・分析、施策の効果測定において、信頼できる判断材料を提示する。デザイナーが感覚や経験だけでなく、データに基づいた設計改善ができる環境を整える。

具体的なプロダクト事例

プロダクト / シーン 活用事例
Spotify ユーザーの聴取履歴を分析し、「Discover Weekly」などのプレイリストを自動生成。→ UXパーソナライズにデータサイエンスを活用。
Airbnb 地域や季節、ユーザーの過去の利用傾向に基づいた価格設定や検索結果表示。
Uber 需要予測と供給最適化によるダイナミックプライシング設計。
WebアプリのUI改善 ボタンクリック率やスクロール率のデータをもとに配置や文言を改善。

まとめ

データサイエンスは、デザイナーが「感覚や経験」に頼るのではなく、「データと仮説」に基づいた思考と実装を行うための基盤である。

これにより、ユーザー理解を深め、成果につながるUX設計が可能となる。今後ますます、デザインとデータの境界は曖昧になり、協働が求められる領域である。

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UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。

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