インタラクションとは、人間が操作や行動をしたとき、システムや機器がその行動に伴う反応のこと。マイクロ(最小単位)インタラクションは、人間と製品・インターフェースとの間にみられる。
アニメーションでのマイクロインタラクション
以下のアニメーションは、ひとつの操作で人と製品の間で起きているマイクロインタラクションの事例。
ユーザビリティとマイクロインタラクション
マイクロインタラクションはユーザビリティの向上にも役立つ。巧みに設計されたマイクロインタラクションによってユーザーの利用体験は直感的でわかりやすいものになり、時にユーザーに心地良さや楽しさを感じさせることができる。
エラーを伝えるマイクロインタラクション
システムエラー発生時は、マイクロインタラクションはユーザビリティ向上に役立つが、特に設計が大切になる。
エラーのフィードバックやメッセージは、ユーザーをサポートする存在としてマイクロインタラクションを設計すべきで、正しくマイクロインタラクション設計がされていないと、ユーザーはエラーを理解できず、不安やいら立ちを感じ、製品やサービスに対する好感度を下げてしまう。
マイクロインタラクションの4つの構造
マイクロインタラクションは4つの要素で構成されている。この4要素は、マイクロインタラクション設計・分析の手段として利用される。
- トリガー(Trigger)
- ルール(Rules)
- フィードバック(Feedback)
- ループとモード(Loops & Modes)
トリガー(Trigger)
マイクロインタラクションを開始させる要素。ユーザーにアクションを促し、気づきを与えることができる。
トリガーにはユーザーの動作によって引き起こされる「手動トリガー」と、システムが一定の条件を満たした際に引き起こされる「システムトリガー」がある。
ルール(Rules)
トリガーからマイクロインタラクションが開始されると、一連の動作が行われる。
アプリやデジタル機器になるとルールは複雑になりえる。その場合でも、ユーザーが起きることを理解し安心して毎回使えるようなルールを設定する。
フィードバック(Feedback)
機器やアプリ内部で実行している処理のルールの理解を、視覚的・聴覚的・触覚的な要素で助ける方法。製品の個性を決定づける重要な要素でもある。
フィードバックには”テキスト、画像、サウンド、バイブレーション、アニメーション”の手段があり、ユーザーの動作にあった最適な手段を利用する必要がある。
ループとモード(Loops & Modes)
各マイクロインタラクションのメタルール(ルールのルール)。長期的に見てどうするかを定義するもの。
ループ(loop)
決められた間だけ繰り返し実行されるサイクル。
ループの例は以下。
- 30秒ごとにデータを取得する
- 10日後にお知らせを送る
- 未読メールが1件増えるたび未読バッジの数字を1増やす
ループの回数や周期は、使い心地の印象に大きく影響する。
ループの周期が短すぎるとせわしない・煩わしい印象を与え、あまりに長いループは反応が鈍い印象を与えてしまう。
モード(mode)
通常のルールとは異なった動作・制限された動作をするときの特別な状態のこと。
モードがある状態を「モーダル(modal)」、モードがない状態を「モードレス(modeless)」という。
ほとんどのマイクロインタラクションの場合、モードを設けることは極力避けるべきで、どうしてもモードを用意しなければならない場合は、モード専用の画面を用意しユーザーに通常のルールと異なる動作をすることを明示するとよい。
関連用語
- モーダル
- モードレス