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チームで合意する

議論が噛み合わないとき、原因はたいてい人ではありません。同じ言葉が別の意味で使われていたり、決める人が決まっていなかったり、発散と収束が同時に起きていたりします。このページでは、前提を揃えるところから、組織の形が設計に表れてしまう話までを順に並べました。

13用語を読む順に並べています

まず前提と言葉を揃える

同じ語が途中から別の意味になると、正しく見える議論でも崩れます。作り手が集まるほど「自分に分かることは皆にも分かる」という錯覚は強くなります。

  1. 1 四個概念の誤謬 Fallacy of Four Terms 同じ言葉を、途中から別の意味で使うと話は崩れる。ユーザーという語が、会議の中で二つを指していないか。議論の前に、言葉を一つに決めろ。
  2. 2 フォールス・コンセンサス効果 False consensus effect 自分に分かることは、皆にも分かると感じてしまう。作り手が集まるほど、この錯覚は強くなる。社内で分かる、を根拠にするのはやめろ。
  3. 3 ハイコンテキスト High context 内輪で通じる言い方は、外から来た人を静かに締め出す。略語の多い画面は、慣れた人にだけ速い。新しい人が読む前提で、書き直せ。

決め方を先に決める

責任者を二人置くと、その仕事は誰のものでもなくなります。広げる時と絞る時を混ぜると、どちらも中途半端になります。

  1. 4 RACI(レイシー)チャート RACI chart 責任者を二人置けば、その仕事は誰のものでもなくなる。役割の表は、埋めた時ではなく揉めた時に効く。決める人の欄は、一人に絞れ。
  2. 5 ダブルダイヤモンド Double Diamond 広げる時と絞る時を混ぜると、どちらも中途半端になる。案を出しながら批判すれば、出る数は必ず減る。今どちらの段かを、先に言え。
  3. 6 6つの帽子思考法 De Bono’s Six Thinking Hats / 6TH 同じ会議で、賛成と反対を同時にやると話は進まない。役割を分ければ、人を否定せずに案を叩ける。批判の番は、時間を区切って全員でやれ。

議論の質を保つ

最初の発言に揃ってしまった会議は、ただの一人の意見になります。声の大きさと、根拠の強さは比例しません。

  1. 7 群衆の知 Wisdom of the crowd 多数の推測が当たるのは、各自が独立して考えた時だけだ。最初の発言に揃った会議は、ただの一人の意見になる。集める前に、先に書かせろ。
  2. 8 藁人形論法 straw-man argument 相手の主張を単純にすれば、簡単に論破できる。倒したのは、誰も言っていない案のほうだ。反論する前に、要点を相手の言葉で言い直せ。
  3. 9 信念バイアス Belief Bias 結論に納得できると、途中の筋道は確かめられない。正しく見える話ほど、飛んだ箇所が見過ごされる。賛成した時こそ、順番に読み直せ。
  4. 10 ダニング・クルーガー効果 Dunning–Kruger effect 知識が浅いほど、自分の理解を高く見積もる。だから最も自信のある声が、いちばん危ういことがある。声の大きさではなく、根拠の有無で決めろ。

組織の形は設計に出る

画面の分かれ方は、部署の分かれ方に似ます。構造を直したいなら、話す相手のほうを先に変える必要があります。

  1. 11 コンウェイの法則 Conway's Law 画面の分かれ方は、たいてい部署の分かれ方に似る。担当をまたぐ導線ほど、途中で切れる。構造を直したいなら、話す相手を先に変えろ。
  2. 12 社会的手抜き Ringelmann effect 人数を足すほど、一人あたりの働きは静かに落ちる。誰の担当でもない仕事から先に落ちる。役割は人ではなく、作業ごとに名指しで割れ。
  3. 13 従業員体験 Employee Experience 社内の道具の粗さは、そのまま接客に出る。我慢で回している手順は、いつか客の待ち時間になる。中の使い勝手も、外と同じ基準で測れ。