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同じ商品でも、値段の見せ方や並べ方によって、選ばれ方は変わります。ただし人を動かす仕掛けは、使い方を誤ると後から不信として返ってくるものでもあります。このページでは、価格の見え方から、買った後に効くもの、そして数字の読み違いまでを順に並べました。

14用語を読む順に並べています

値段の見え方を決める

価格は金額そのものではなく、何と比べたかで感じられます。同じ数字でも、基準の置き方ひとつで得にも損にも見えてしまいます。

  1. 1 プロスペクト理論 Prospect theory 得か損かは、比べる基準を変えるだけで裏返る。同じ値段でも、割引と追加料金では受け取り方が違う。何を基準に見せるかを、先に決めろ。
  2. 2 ヴェーバーの法則 Weber law 違いは、差ではなく比で感じられる。千円の値引きは、百円の品では大きく、十万円の品では気づかれない。割引は、額ではなく率で見せろ。
  3. 3 コントラスト効果(対比効果) Contrast Effect 同じ値段でも、隣に何を置くかで高くも安くも見える。比較のために置いた案は、判断の基準そのものになる。並べる順は、意図して決めろ。
  4. 4 ゴルディロックスの原理 Goldilocks principle 三つ並べば、多くの人は真ん中を選ぶ。だから選ばせたい案は、上と下を用意して初めて選ばれる。並べる数と幅を、意図して決めろ。

選ばせ方を設計する

並べる順番、初期値、無料の使い方。どれも「選ばせている」以上、誰の得のためなのかを説明できる形にしておきたいところです。

  1. 5 デフォルトバイアス default bias 初期値は、選ばれた答えとして扱われる。誰も触らない設定こそ、いちばん多くの人の結果を決める。既定値は、利用者に得な側へ置け。
  2. 6 系列位置効果 Serial-position effect 並べたものは、最初と最後だけがよく残る。長い一覧の真ん中は、読まれず選ばれない。伝えたい項目は、端に寄せて置け。
  3. 7 おとり効果 Decoy Effect 明らかに損な案を隣に置くと、狙いの案が選ばれる。だが後で気づかれれば、選ばせた事実だけが残る。並べるなら、どれも売れる案にしろ。
  4. 8 無料の力 The Power of Free 価格がゼロになると、人は損得計算をやめて飛びつく。だが無料で集めた関心は質を伴わないことも多い。「タダ」で釣る前に、その先の体験まで設計しろ。

買った後に効くもの

売れた瞬間で終わりではありません。買った理由は買った後に作られますし、自分で手をかけたものほど手放しにくくなります。

  1. 9 保有効果 Endowment effect 一度自分のものになると、手放す痛みは持つ喜びを上回る。無料で試させれば売れるのはこのためだ。持たせたなら、返す道も同じだけ用意しろ。
  2. 10 IKEA効果(イケア効果) IKEA Effect 自分で組み立てたものは、出来が同じでも高く感じる。だから設定を任せた製品は、愛着ごと残る。少しだけ、手を動かす余地を残せ。
  3. 11 認知的不協和 cognitive dissonance 人は行動と信念の矛盾に耐えられず、後から考えのほうを変える。買った理由は、買った後に作られる。信念を固める場は、購入後に用意しろ。

数字で自分を騙さない

率は分母をいじれば上がりますし、広告は売上で割れば常に効いているように見えます。売上の指標こそ、組み合わせで見てください。

  1. 12 CVR Conversion Rate 率は、分母をいじるだけで上がってしまう。来る人を絞れば数字は良くなり、売上は減る。率と件数は、いつも並べて見ろ。
  2. 13 LTV Lifetime Value (LTV) 一度の売上ではなく、付き合いの長さで採算は決まる。獲得だけを競うと、続かない客ばかりが増える。取る前に、続けてもらう理由を用意しろ。
  3. 14 ROAS(ロアス) Return On Advertising Spend 売上で割れば、広告は常に効いているように見える。原価と手間を引いた後で、初めて損得が分かる。数字は、利益まで通して見ろ。