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人は自分の行動を正確には語れませんし、作り手は自分が知らなかった頃を思い出せません。この二つを前提に置かないと、調査は「聞きたかったこと」を確認するだけの場になってしまいます。このページでは、聞き方から、その場で見る方法、そして早く回す型までを順に並べました。

14用語を読む順に並べています

どう聞くかを決める

台本が無いことと、準備が無いことは違います。深掘りは問いを足すことではなく、黙って待つことで起きます。

  1. 1 半構造化インタビュー Semi-structured Interview 大枠だけ決めておけば、話の流れに合わせて深く聞ける。ただし脱線が続けば、比較できる材料は残らない。必ず聞く問いを、三つ決めておけ。
  2. 2 ラダリング法 Laddering Interview Tequnics なぜを重ねると、機能の話が価値の話に変わる。ただし問い詰めれば、相手は答えを作り始める。三回で止めて、具体例に戻れ。
  3. 3 プロービング probing もう少し詳しくと促すだけで、話は一段深くなる。急いで次を聞くと、いちばん大事な一言が消える。問いを足す前に、黙って待て。

言葉を鵜呑みにしない

本人が説明できることと、実際にできることは別です。自己申告のスキルや理解度は、そのまま数字にはできません。

  1. 4 心の理論 Theory of Mind 相手の頭の中を想像する力は、自分が作ったものには働きにくい。知っている側は、知らない状態を思い出せない。使ったことのない人に、黙って触らせろ。
  2. 5 メタ認知 Metacognition 人は自分がどこで詰まっているかを、正しくは言えない。わかったつもりのまま先へ進む。理解を尋ねるのではなく、やらせて確かめろ。
  3. 6 顕在記憶 Explicit memory 聞かれれば答えられる知識と、手が覚えた動きは別物だ。説明できることが、できることの証明にはならない。言わせるより、やらせて見ろ。
  4. 7 レイク・ウォビゴン効果 The Lake Wobegon effect 多くの人が、自分は平均より上だと答える。自己申告のスキルや理解度は、そのまま鵜呑みにできない。腕前は、聞かずに作業で測れ。

使っている場所で見る

聞いた話と、実際の机の上は違います。会議室に呼ぶのをやめて、貼り紙や付箋だらけの画面を見に行きましょう。

  1. 8 フィールドワーク fieldwork 聞いた話と、実際の机の上は違う。付箋だらけの画面や貼り紙は、設計が負けた記録だ。会議室に呼ばず、使っている場所へ行け。
  2. 9 コンテクスチュアル・インクワイアリー Contextual Inquiry 教える側に回ってもらうと、人は手順を細かく話す。会議室での質問では出ない例外が、作業中には必ず出る。弟子のつもりで、隣で聞け。
  3. 10 シャドーイング shadowing 見られていると分かった瞬間、人の手つきは丁寧になる。質問を挟むほど、普段の姿から離れていく。黙って後ろに立ち、口を出すのは最後にしろ。
  4. 11 思考発話法 Think Aloud Protocol 声に出させると、詰まった理由がその場で分かる。ただし喋りながらでは、普段より慎重に操作する。速さの計測とは、分けて実施しろ。

早く回す

条件の合う協力者を待っている間に、直せたはずの問題が残ります。人数を集めるより、回数を増やすほうが効きます。

  1. 12 廊下テスト Hallway Testing 条件の合う協力者を待つ間に、直せたはずの問題が残る。隣の席の人でも、詰まる場所は同じだけ出る。完璧な被験者より、今日試せる一人を捕まえろ。
  2. 13 RITE Rapid Iterative Testing and Evaluation 見つけた問題をその場で直し、次の参加者で確かめる。全員分を取り終えてから直すより速い。直せる体制がないなら、この手法を選ぶな。
  3. 14 定性調査 Qualitative Research 何人に聞けば足りるか、という問い自体が向いていない。分かるのは割合ではなく、起きている理由のほうだ。数の話は、別の調査に任せろ。