半構造化インタビュー
Semi-structured Interview

大まかな質問内容を事前に用意しておき、回答に応じて掘り下げて質問するインタビュー形式

ユーザーインタビューを行う前に、目的に合わせた大まかな質問を用意しておき、ユーザーの回答に応じて質問内容を重ねたり、深掘りするインタビューの形式。出来上がった質問だけを聞くのでなく、ユーザーから聞きたい内容を掘り下げられるのが特徴的なインタビュー手法。

半構造化インタビューの代表的な手法はヒアリングである。ヒアリングでは、目的に対する内容を相手から聞き出し、明らかにできる。実施前にインタビューガイドを作成して、大まかな質疑応答の流れを作る。ヒアリングする時は、インタビューガイドに沿って実施しつつも、回答に応じてインタビュアーが質問を重ねて回答者の意見を深掘りしていく。

なお、インタビューは収集した情報自体に価値があり、記事になるようなものであるのに対して、ヒアリングは目的に対する内容を相手から聞き出し、明らかにするための手法である。インタビューという名称ではあるが基本的にはヒアリングの手法となる。

インタビューガイドでインタビューの大筋を固めておく

メリット:回答者から聞き出したい真意が汲み取れる

半構造化インタビューのメリットは、事前に決定された項目を聞くだけでなく、回答者の意見を深掘りして真意が汲み取れることである。

例えば、転職エージェントが求職者と連絡を取れるサービスを検討していると仮定する。あるエージェントに対して事前に用意していた「求職者に対して連絡する場合はどのようにしますか?」という質問に対して「まずはメールを送ります」と回答してもらったとする。

回答を深掘りしない場合、連絡手段はメールが最適という意見になってしまう。しかし「他の転職エージェントも同じように行いますか?」と質問を深掘りすることで「知り合いには電話をする人もいます」という回答を得られる場合もある。

別の観点から深掘りしてみると「連絡する時は1人ずつに行いますか?それとも複数人に対して一度に行いますか?」と聞くと「一度で5人くらいに連絡をします」という回答を得られるかもしれない。

質問を深掘りすることで、当初の回答だけでは得られない情報を得られる。また、説明することが苦手な人でも、対話形式の話の中で自分の考えを話すことならできる人は多くいるため、自然な会話のように実施することが大切だ。

質問を深掘りすることで、回答者の真意を汲み取ることができる

デメリット:インタビュアーの能力に左右される

構造化インタビューに比べて、半構造化インタビューではどのようにインタビューを進めるのか、どのタイミングで深掘りをしていくのかを考慮する必要がある。インタビュアーの能力によって、インタビューの成果が左右される。

インタビュアーと回答者の信頼関係が重要

インタビューにおいて重要なことは、回答者が安心感を持ってインタビューに臨めることである。インタビューを始める前に、インタビュアーと回答者の間に信頼関係が構築できていないと、ポライトネスが働いて回答者から建前の意見しか得られないことがある。

インタビューの本題に入る前に、インタビューの目的を伝えたり、アイスブレイクをきちんと挟むことで、信頼関係を構築することが重要である。

回答者にバイアスをかける質問をしてはいけない

インタビュー中に、インタビュアーの投げかけた質問に対して回答者が考え込む時がある。この時、インタビュアーは「回答者が質問を理解できていない」と安易に解釈して質問を重ねると、回答者へバイアスをかけてしまう恐れがある。

例えば、転職エージェントが求職者と連絡を取れるサービスに関するインタビューにおいて、インタビュアーが「求職者に対して連絡する場合はどのようにしますか?」と聞いた時に、回答者が黙り込んでしまったと仮定する。

インタビュアーが気を利かせて「例えば、メールや電話などをよく使ったりしますか?」と質問を重ねてしまった場合、回答者に対して「連絡手段だけを答えれば良い」というバイアスをかけてしまうことになる。

回答者が沈黙した場合、インタビュアーは慌てず回答が出てくるまで待つことが重要である。

インタビュアーは回答が出てくるまでじっくり待つことが大切である

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この記事を書いた人:藤原 脩平

現在、システムエンジニアとして自社サービスの企画/開発を行なっています。
ユーザーファーストなサービス開発を心がけたいという思いから、UX DAYS TOKYOのスタッフとして活動を始めました。

最近はリサーチスキルを伸ばすために統計学を勉強している。