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使い続けてもらう

一度使ってもらうことと、使い続けてもらうことは別の設計です。習慣は合図と報酬で作られますが、報酬の出し方を誤ると、もともとあったやる気まで奪ってしまうことがあります。このページでは、習慣の作られ方から、それを壊さないための注意までを順に並べました。

13用語を読む順に並べています

習慣はどう作られるか

合図と報酬を繰り返すと、行動は習慣に変わります。すでに始まっている感じがあるだけでも、人は最後まで進もうとします。

  1. 1 オペラント条件付け operant conditioning 褒美で増えた行動は、褒美が消えると元へ戻る。罰で減った行動は、見えない所へ移るだけだ。続けさせたいなら、報酬より場面を整えろ。
  2. 2 フックモデル hooked model 合図と報酬を繰り返せば、行動は習慣に変わる。だが習慣にした責任は、作った側に残る。仕掛ける前に、やめたい人の出口を作れ。
  3. 3 エンダウド・プログレス効果 Endowed Progress Effect スタンプカードは、最初の二つが押してあるだけで埋まりやすい。同じ残り八個でも、始まった感じが人を進ませる。ゼロから数えさせるのをやめろ。

覚えていてもらう

教えた直後から、記憶は坂を下るように減っていきます。一度に教え込むより、間を空けて何度も出会わせるほうが長く残ります。

  1. 4 忘却曲線 Forgetting Curve 教えた直後から、覚えた内容は坂を下るように減る。使わない機能ほど、次に触る時には初回に戻っている。年に数回の操作は、覚えさせず案内しろ。
  2. 5 間隔反復 Spaced repetition 一度の説明で覚える人はいない。間を空けて何度も出会うほど、記憶は長く残る。一気に教え込まず、思い出す機会を配れ。
  3. 6 単純接触効果(ザイアンスの効果) mere exposure effect 繰り返し目にするだけで、好意は静かに増える。ただし最初の印象が悪ければ、回数は嫌悪を育てる。露出を増やす前に、一回目の出来を直せ。

やる気を壊さない

ここがいちばん間違えやすいところです。報酬や点数は行動を早く動かしますが、内側から出ていたやる気を買い取ってしまうことがあります。

  1. 7 アンダーマイニング効果 undermining effect 好きでやっていたことに報酬を出すと、報酬なしでは動かなくなる。褒美は、やる気を買い取ってしまう。続けてほしい行動ほど、報酬の対象から外せ。
  2. 8 エンハンシング効果 Enhancing Effect 認められた実感は、やる気を外から支える。ただし金額に置き換えた瞬間、性質は変わる。褒めるなら、成果ではなく工夫を名指しにしろ。
  3. 9 自律性バイアス Autonomy bias 人は、うまくやることより自分で決めたがる。全部お任せの仕組みが嫌われるのはこのためだ。自動で進めるなら、止める権利を必ず残せ。
  4. 10 ゲーミフィケーション Gamification 点数と順位は、行動を早く動かす。だが競わせた瞬間、助け合いは減ることがある。付ける前に、何が起きてほしいかを決めろ。

体と持ち物に残す

説明できない慣れや、揃えたくなる連鎖は、意識の外で継続を支えています。だからこそ、配置を変える判断は慎重に行いたいところです。

  1. 11 ディドロ効果 Diderot effect 良いものを一つ入れると、周りの古さが気になり出す。揃えたくなる連鎖は、売る側には追い風になる。並べる順は、その連鎖を見て決めろ。
  2. 12 潜在記憶 Implicit memory 体が覚えた慣れは、言葉では説明できない。使いやすいと言われる理由が本人にも分からないのはこのためだ。感想より、迷わず動いた場所を見ろ。
  3. 13 手続き記憶 Procedural memory 体で覚えた操作は、考えなくても手が動く。だから配置を変えると、慣れた人ほど強く戸惑う。動かすなら、理由と移動先を目に見える形で示せ。