カーム・テクノロジー
Calm Technology

ユーザーが常にそのテクノロジーに注意を向けるのではなく、あまり目立つことのないように設計されたテクノロジー
「カーム」というのは日本語では「おだやか」

製品を設計する際、通知や表示方法と言ったテクノロジーとユーザーとのコミュニケーションの取り方も設計する必要があるが、その際に考慮されるのが「カーム・テクノロジー」である。

この言葉はMark Weiser(マーク・ウェイザー)氏とJohn Seeley Brown(ジョン・シーリー・ブラウン)によって1996年に作られた。増えていくデバイスが逆に私達の生活で邪魔になることを憂慮した内容が発表された。

引用元:Amber Case氏のスライドから

「カーム・テクノロジー」にはいくつか原則がある。

  1. ユーザーがテクノロジーに注意をはらうのは最小限であること。ユーザーの環境や行っている動作を妨害しないこと。
  2. タスク自体は人間が行うものとし、テクノロジーは情報を静かに提供する必要がある。
  3. テクノロジーは中心にあったものが、すぐ周辺で動くように移動しなければならない。
  4. テクノロジーは最高の技術と最高の人間性を拡大させる必要がある。
  5. テクノロジーは伝えることはできても話す必要はない。
  6. テクノロジーは動作が失敗した時でも止まらずに動く必要がある。
  7. 問題を解決するために最低限必要な技術を考える。
  8. テクノロジーは社会規範を重んじる必要がある。

VUI(ボイス・ユーザーインターフェイス)ではカーム・テクノロジーを考慮する場面が多いと言える。

マーク・ウェイザー氏(引用:ウィキペディア)

ジョン・シーリー・ブラウン氏(引用:ウィキペディア)

カーム・テクノロジーの例

音の鳴るヤカン

沸騰すると音のなるタイプのヤカンは、水を入れて火にかけたあとはその存在を忘れることができる。沸騰して音を鳴らすまで、ユーザーの注意を引くことはない。

ルンバ

ロボット掃除機のルンバは話さず、シンプルな音だけで状況を教えてくれる。
掃除が終わった時は嬉しそうな音、問題が起きたり本体の掃除が必要になった場合は淀んだ音で表現してくれるので、言語がなくても理解することができると言える。
また、オレンジとグリーンのライトでもルンバの状態を伝えてくれる。

カーム・コミュニケーションの例

「ハプティック・アラート」

Apple Watch

人間の触覚を利用して、振動などを通して視覚的や聴覚的ではない方法で情報を伝えることができる。
Apple Watchにこの「ハプティック・アラート」が利用されている。ユーザーは自分で「ハプティック」この場合は振動の強度を強めることができる。

「ステータスシャウト」

「ステータス」は「状態」、「シャウト」は「叫ぶ」を意味する。つまり、状態を大きな声でつたえるを意味する。
よって、「ステータスシャウト」は緊急性あるものに利用される。
「ステータス・シャウト」という項目は非常事態の情報発信用に確保しておく必要がある。
煙報知器、湯沸かし器、電子レンジはすべてシャウトして人々に今の状態を警告する。 救急車はステータス・シャウトを使って、人々に緊急事態の発生を知らせている。

ポップアップ

ポップアップアラートはおそらくアラートの最も一般的な形式だが、正しく使用されていないと人々を圧倒させてしまうことがある。
個数や頻度などは他のアラートとの兼ね合いを考えて設計する必要がある。

参考:

この記事を書いた人:Mai Kosoba

北海道出身、大阪在住のデザイナーです。よく東京の勉強会にも参加しています。
UXについてまだまだ勉強中ですが、学んだことをシェアしたり関西圏での勉強会を開催していきたいと考えています。
読書・着物・旅行・美術鑑賞・ゲームが好きです。