問題解決やコミュニケーション、アイデア発想において、視点を高めて全体像や上位概念を見渡すために用いられる。対義語は「チャンクダウン(具体化)」である。
提唱者

Dr.Richard Bandler リチャード・バンドラー 引用:https://nlp-jp.com/richardbandler/

ジョン・グリンダー博士 John Grinder Ph.D 引用:https://www.nlp-school.jp/koushi_grinder.htm
チャンクアップの考え方は、神経言語プログラミング(NLP:Neuro-Linguistic Programming)の枠組みにおいて発展したとされている。
NLPの共同開発者であるリチャード・バンドラー(Richard Bandler)およびジョン・グリンダー(John Grinder)が提唱した「抽象度の階層(Logical Levels of Abstraction)」に基づいている。
デザインへの応用と具体的事例
活用方法:
チャンクアップは、ユーザーのニーズや行動の背後にある上位目的や本質的価値を理解するために使われる。UIやUXの改善、カスタマージャーニー設計、インサイト探索、ストーリーテリングなど、上流工程で特に有効である。
具体的な活用シーン:
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インサイト抽出:
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例:「カレンダーアプリを毎日使いたい」→ チャンクアップ →「時間を有効に使いたい」→「人生を充実させたい」
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プロダクトのポジショニング:
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例:「このアプリは英単語を覚えるツール」→ チャンクアップ →「語学学習支援」→「自己成長支援」
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チームビジョンの策定:
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メンバーが言う「良いデザインをしたい」→「使いやすさを実現したい」→「ユーザーの生活を豊かにしたい」
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この場面で使える
たとえば、ユーザーリサーチ結果の解釈の場面で、「ある機能が使いづらい」という具体的な声に対し、それを「どうして?」と掘り下げ、「その人は何を実現したかったのか?」という上位目的を見出すことで、本質的な課題を特定できる。
さらに、複数の異なるユーザー要望を俯瞰するためにチャンクアップを用いれば、「それらに共通する目的は何か?」という統合的な視点が得られる。
補足:チャンクダウン/チャンクアップとの比較
チャンク手法 | 説明 | 用途例 |
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チャンクアップ | 抽象化して上位カテゴリを導く | 意味の統一、ビジョンづくり |
チャンクダウン | 具体化して詳細に分解する | 実行計画、UI要素の仕様化 |
水平チャンク | 同じレベルの情報を並列化する | ナビゲーション、選択肢の整理 |