人間の短期記憶には保持できる情報量に限界があり(一般に7±2チャンクとされる)、情報を整理してグルーピングすることで、理解や記憶の負担を軽減させることができ、その行為を指す。
提唱者
引用:https://www.nytimes.com/2012/08/02/us/george-a-miller-cognitive-psychology-pioneer-dies-at-92.html
チャンキングの概念は、1956年にアメリカの認知心理学者ジョージ・A・ミラー(George A. Miller)によって提唱された。彼の有名な論文「The Magical Number Seven, Plus or Minus Two」で、短期記憶容量におけるチャンクの概念が示された。
デザインへの応用と具体的事例
活用方法:
プロダクトやコンテンツの設計において、チャンキングはユーザーの認知負荷を軽減するために広く活用される。情報を視覚的・意味的にグルーピングすることで、ユーザーが情報をより素早く把握し、効率的に行動できるようにする。
具体的な活用シーン:
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フォーム設計:長い入力フォームをステップ形式に分割(例:「基本情報」「住所」「支払い」)
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電話番号の表示:「08012345678」より「080-1234-5678」の方が記憶しやすい
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ナビゲーション:複雑なメニュー項目を3〜5個ごとのカテゴリに分類
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eラーニング教材:10分程度の動画を3分×3チャンクに分け、集中力を保つ
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ダッシュボード:同種の指標(例:売上・利益・顧客数)をグルーピングして視覚化
この場面で使える
たとえば、保険申込みのWebサービスにおいて、すべての入力項目を1画面に並べると、ユーザーは圧倒されて離脱しやすくなる。しかし、情報を「基本情報」「連絡先」「支払方法」「確認」というチャンクに分けてステップ表示することで、心理的負担が軽減され、入力完了率が向上する。